エルダー2021年8月号
50/68

2021.848シニアの〝講演デビュー〞を後押しNPO法人シニア大樂は、2003(平成15)年4月、シニアの社会参加を支援することを目的に、現理事長である藤井敬三さんら10人のシニアライフアドバイザーで発足した。シニアライフアドバイザーは、財団法人シニアルネサンス財団が認定し、中高年齢者の生活全般にわたる支援をするための資格だ。シニア大樂の発足当時、藤井理事長は40年近く勤めた大手広告代理店を退職した直後で、シニアライフアドバイザー養成講座の同期仲間と一念発起して立ち上げた。シニア大樂ではさまざまな活動を行っているが、その中心となっているのが「講師紹介センター」である。主にシニアを講師として登録し、それぞれが現役時代に蓄えた豊かな知識や経験、あるいは趣味を活かし、講演活動が行えるよう、自治体や企業などが主催する講演会やセミナーに紹介し、派遣する事業だ。登録されている講師の人数は、現在350人。平均年齢は71・2歳。対応する講演テーマは、「高齢社会・くらし」、「心とからだ」、「生き方、わが人生」、「教育、家庭、衣食住、資格」といった身近な話題から、人生を彩る「趣味、芸術、文化、生涯学習」、「レジャー、スポーツ、旅行」、「エンターテインメント、演芸、司会」、さらには、「ビジネス、研修」と幅広い。講師陣には多彩な経験や才能の持ち主が揃っており、国際線のパイロットや新聞記者、ホテルマン、落語家、アナウンサーなど、そのジャンルは十人十色。現役時代の体験や長年の経験に基づいた講演を行い、主催者や聴講者から好評を得ている。シニア大樂は2021(令和3)年で発足18年目を迎えているが、これまでの講師紹介実績は約2900回。派遣先は、自治体の生涯学習や市民講座、団体や企業の研修などである。講演料がシニア講師の収入にシニアが講師として登録するには、所定の登録申込書(主な職歴、所属団体、取得資格、登録希望の講演タイトルなどを記載)と400字以内の小論文を講師紹介センターに送る。小論文の課題は、「私の自己PR」または「私が話したいこと」から一つを選ぶ。これらの内容を、講師紹介センター事務局で確認のうえ、登録を承認する。申込みをしてくるのは「講演活動をしたい」という意思のある人たちなので、小論 高年齢者雇用安定法が改正され、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となるなど、生涯現役時代を迎え、就業期間の長期化が進んでいます。一方で、60歳や65歳を一区切りとし、社会貢献、あるいは自身の趣味や特技を活かした仕事に転身を考える高齢者は少なくありません。そこで本企画では、高齢者に就労の場を提供しているNPO法人を取材し、〝企業への雇用〞にこだわらない高齢者の働き方を紹介します。活動事例生涯現役で働きたい人のためのNPO法法人NPO法人シニア大だい樂がく(東京都千代田区)第3回

元のページ  ../index.html#50

このブックを見る