エルダー2021年8月号
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エルダー49活動事例NPO法法人生涯現役で働きたい人のための文の内容も水準に達しており、ほとんどの申込みに対し、登録を承認している。講師登録は2年ごとに更新し、登録された講師は、更新時に基本登録料2000円(2年分)を事務局に納める。登録された講師は、事務局が2年ごとに作成する「講師リスト」に掲載され、このリストは首都圏を中心とした自治体や公民館、企業、団体など、講師派遣の依頼が予測されるところに配布されるほか、シニア大樂のホームページでも公開される。また、講師紹介センターでは、自治体の市民講座などの担当者へのプレゼンテーションとして、「成功する市民講座・企画立案と講師の選び方」講座を開催し、人気講師十数人によるショート講演を行うなどして、受注開拓に注力している。講師派遣を依頼する場合は、まず講師紹介センターに相談する。その内容を同センターが登録講師へ連絡。講師が決定すると、以降の詳しい打合わせは依頼者と講師とで直接行い、講演料も講師が依頼者から直接受け取る。講師紹介料は無料だが、講師は講師料を受領後、その10%を紹介事務費としてシニア大樂に納める。仲間と高め合うことも楽しみにシニア大樂の講師が依頼者や受講者から人気を得ているのは、講演内容の質の高さにある。「依頼者からよく、『話のおもしろい講師を』といわれます。そこで、講師のための話し方講習会を毎月開催し、スキルアップを図っています」と藤井理事長。自身も講師として登録しており、この講習会で学んでいる。講師のための講習会は、専門講師による話し方指導と人気講師による20分間の講演で学んだ後、受講者が3分間スピーチを行いスキルを磨く内容だ。コロナ禍により毎月の開催が困難となっているが、この講習会はすでに200回を超えている。何度も参加する講師が多く、その理由について、講師であり副理事長の長嶋秀ひで治はるさんは、「勉強しながら、ほかの講師の面白い話を聞くことができ、懇親会で仲間が増える楽しみもあるからです」と明かしてくれた。また、同じく講師で副理事長の平井幸たか雄おさんは、「全国各地から呼んでもらって話をし、みなさんに楽しんでいただけることにやりがいを感じています。いろいろな出会いがあることもうれしいことです」と講師として活動する喜びを笑顔で話す。藤井理事長は、「講師として話をするためには、得意分野であってもしっかり勉強し直すことが大切です。それを1人ではなく仲間と一緒に行い、刺激し合い、高め合うことも楽しいのです」と講師としての活動の魅力を語る。シニア大樂の活動はほかにも、「シニアにもっと笑いを」をテーマに、ユーモアスピーチの会、ユーモアシニア川柳サロン、脳トレ・発明サロン、小ばなし・落語入門サロン、全国シニア社会人落語会などを開催している。現在、同法人の本部は30人。「本部の活動は報酬ゼロですが、好きな分野で活躍して楽しんでいます」(藤井理事長)。それぞれが得意な分野で役に立つことで、運営が継続されている。ただいま、「60代、70代の登録講師を大募集中」とのこと。今後は、講師デビューを応援する講座の開催数を増やしていく考えだ。また、シニアの地域活動を応援する場へ講師を派遣していく取組みにも力を入れていく。NPO法人シニア大樂の藤井敬三理事長(中央)、平井幸雄副理事長(左)、長嶋秀治副理事長(右)

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