エルダー2021年8月号
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2021.852シニアの就労支援を目ざしてセンター設立公益社団法人福岡県高齢者能力活用センター(以下、「センター」)「はつ・らつ・コミュニティ」(貫ぬき正まさ義よし会長、小こ早ばや川かわ明あき徳のり理事長)は、地元の経済界が中心になり、県や北九州市、福岡市の行政機関参画のもと、1996(平成8)年に社団法人として産声を上げた。以来、おおむね60歳以上のシニアと企業との出会いの場を創出する人材派遣事業および職業紹介事業を進めている。また、関連団体と連携して、就業を希望するシニアに対して各種セミナーを開催するなど、さまざまな支援メニューを提供している。センターの権ごん現げん昭二専務理事は、活動の特徴を次のように話す。「シニアのライフスタイルに合った職種、就業場所、勤務時間などの希望をふまえて、センターで企業とのマッチングをしています。私たちが紹介する仕事は、センター設立に賛同された会員企業からの要請であるため、シニアへの理解があり安心して働けることが大きなポイントです。今年5月現在の登録者数は9369人で、平均年齢は70・55歳。派遣者の人数は833人となっており、派遣者の割合を高めていくことがこれからの課題です。『はつ・らつ・コミュニティ』という愛称も少しずつ周知されるようになりましたが、センターの存在をもっと広く知っていただくための取組みを創意・工夫しているところです」豊かな経験とスキルを持つシニア「はつ・らつ・コミュニティ」は福岡市に事務局職員20人(うち営業10人)と周年事業担当3人が在籍しているほか、営業部隊として「はつ・らつ・コミュニティ北九州」に9人、筑後地域を担当する「はつ・らつ・コミュニティ久留米」に4人の総勢36人の陣容で運営されている。三つの拠点があることから福岡県内を広くカバーしているところに、センターの強みがある。「少子高齢化が急速に進むなかで、シニアが持つ豊かな経験と技術がいまほど求められているときはありません。センターでは、豊かな経験と技術や知識を持つシニアがサービス分野や事務分野をはじめさまざまな分野で活躍していReport公益社団法人福岡県高齢者能力活用センター(はつ・らつ・コミュニティ)意欲あふれる高齢者のはつらつ人生を応援 公益社団法人福岡県高齢者能力活用センターでは、自治体や関連機関と連携し、就労を希望するシニアと企業のマッチングをはじめ、さまざまな活動を通してシニアの就労を支援している。今回は、同センターの取組み内容とともに、同センターを通じてシニアを雇用している企業、実際に働いているシニアの声をレポートする。権現 昭二専務理事

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