エルダー2021年8月号
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エルダー53意欲あふれる高齢者のはつらつ人生を応援 ▼Reportます。簿記や宅地建物取引主任、建築士、電気工事士などの有資格者も多数登録しており、会員企業からは高い関心が寄せられています。センターでは人材派遣と職業紹介を行っていますが、いずれも人生経験豊かなアドバイザーが、一人ひとりに合った仕事を一緒に探します。アドバイザー自身、センターの仕事がセカンドライフという人も多く、利用者の願いに寄り添ったマッチングが実現できます」と権現専務理事の言葉に熱がこもる。福岡から時代を先駆けるセンターは福岡商工会議所ビルの1階にあり、今年の3月には同じフロアにシニアハーローワークが開設されたことで、両者の連携も生まれている。センターではハローワークから情報を提供してもらうだけではなく、毎月1日、求人状況一覧を作成してハローワークなどの関連機関に配布している。権現専務理事は、「ハローワークの募集要項で年齢不問とあっても、実際はシニア不可というような場合もあります。そういうときは60歳以上の就労を支援する当センターを紹介していただくことがあります。また、博多駅前にある福岡県70歳現役応援センターには毎週水曜日に出かけ、窓口で来訪者への声がけをさせてもらっています。このほか、産業雇用安定センターや福岡市シルバー人材センターとも連携を図っています。この五つの機関が協力して『活き生きセミナー』を開催しており、関係団体が総力をあげてシニア就労を応援する福岡モデルが確立しつつあります」と、力強く話してくれた。今年10月には、設立25周年を迎える福岡県高齢者能力活用センター。8月28日には、25周年記念式典の開催が予定されており、ますますのシニア就労の機運の高まりも期待される。地域社会にシニアの就業機会を提供することは、県内企業の人材確保の役割を果たすことにもつながる。シニアが「支えられる側」から「支える側」へ移行できる社会の実現という大きな希望に向かって、「はつ・らつ・コミュニティ」の挑戦は続く。20代で鳥とり飼かいハウジングの社長に就任した原田光代さん。出産や子育てなど人生の節目を経て、地域に根ざした不動産業務を展開している。同社では現在、センターの紹介により、6人のシニアが就業。賃貸契約書類のチェックや更新、お客さま対応など、現場の戦力として活躍している。「地域で中小企業の集まりがあり、そこでセンターのことを知ったことがきっかけとなり、当社も会員になりました。現在、本社で就業しているシニアの方は、銀行での勤務経験があり、テキパキした対応に、お客さまはもちろん社内の同僚の信頼も厚いです。不動産業はやはり信用が第一ですから、シニアの方の存在は大きく、日々感謝しています。ご縁があって、センターが主催している『シニア就業希望者セミナー』で講演したとき、『シニアにしかない力』という言葉を何度も使いました。これはシニアの方々の働きぶりに日々触れたことで実感したこシニアの知識・経験がお客さまの信頼につながる鳥飼ハウジング株式会社代表取締役社長原田 光代さんシニア人材活用企業の声❶

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