エルダー2021年8月号
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2021.862る。リーダーのもと、プロジェクトのメンバーは社内の各部署を横断する形で構成されている。「管理部主体でやると、ほかの社員が乗ってきません。そこで全員参加の体制を整えました」(松藤氏)健活倶楽部の活動の中心は、毎月1回以上のレクリエーションの実施である。内容はボルダリング、フットサル、バスケットボールなどの各種スポーツのほか、ヨガ、大人の塗り絵、座禅体験などのメンタルケアに役立つ活動も行われている。また、運動習慣の定着にも取り組んでいる。例えば、同社のオフィスはビルの6階にあるが、階段利用を奨励しており、昼休憩時はエレベーターの利用を禁止している。2018年からは、年に一度、全社員が体力測定を実施。現状の体力を把握し、健康維持に役立てている。こうした活動を支えるユニークな仕組みが「健活ポイント制度」である。健康に関するさまざまな活動の実施に応じてポイントが付与されるもので、1ポイントは1円に換算され、500ポイントごとに使用できる(図表2)。カタログ商品への交換のほか、地元の社会福祉協議会などへの寄付にも使用できるようにしている。多い人では、年間2万ポイントもたまるという。健活ポイントは、運動することへのモチベーションを後押しする仕組みといえる。さらに、健活倶楽部では毎年目玉企画を立案して実施している。2020(令和2)年は毎月第1月曜日の午後3時〜5時半を「健活タイム」に設定。また、5キロマラソン大会を初めて開催した。2021年は、スマートフォンアプリを使って5月中のウォーキングの歩数などを競うオンラインイベント「さつき・ラン&ウォーク」※1に参加。いずれも順位をつけて上位者には健活ポイントが付与されるため、大いに盛り上がったそうだ。「全社員非喫煙宣言」で喫煙率が35%低下健康活動のなかでも重要な取組みの一つとして、社員の禁煙率向上があげられる。建設・工事業は喫煙者が比較的多い業種だが、同社でも健活倶楽部スタート時点で、全社員の37%にあたる14人が喫煙者だった。「禁煙が健康につながることはわかっていても、強制的に禁止されると社員は反発します。そこでまず、2年後に会社は『非喫煙宣言』を全国に向けて宣言するという目標を立て、その目標に向けて半年ずつ禁煙の段階を上げていくスケジュールを社内に公表しました」(松藤氏)第1段階は就業時間中の禁煙、第2段階は就業時間外(昼休みや就業時間前後)の禁煙、第3段階は家庭での禁煙をそれぞれ推奨。第4段階では会社に出入りする外部の人にも禁煙をお願いした。また、喫煙している社員には喫煙本数のヒアリングを毎月実施し、さらに家族に手紙を送付して禁煙協力を依頼。禁煙達成の際に※1 さつき・ラン&ウォーク……一般財団法人アールビーズスポーツ財団が主催するイベント。企業対抗でウォーキングの歩数や、ランニングの走行距離を競う図表1 健活倶楽部組織図(2021年4月現在)図表2 健活ポイントの加点条件(一部の例)■会社と駅の移動・通勤は歩き(片道)……………5pt■禁煙達成者…………………………………10000pt■階段の上り下り(一往復)………………………26pt■健活のレクリエーション参加………………100pt代表取締役社長健活倶楽部リーダー(営業部)健活倶楽部 営業部(2人)健活倶楽部 管理部(1人)健活倶楽部 技術部(5人)営業/経営企画部(8人)管理/経理部(4人)技術部(37人)レクリエーションの一環として行っているボルダリングの様子(上)代表取締役社長の松藤展和氏(左)写真提供:アップコン株式会社

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