エルダー2021年9月号
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2021.912食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、原則6カ月にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて、要介護状態区分に該当するもの(要支援区分に該当するものを除く)」と定義されています。実際の介護保険の認定では、要支援も含めて、軽い順から重い順に要支援1から要介護5のいずれかに区分されます。状態の目安は図表2の通りです。一方、育児・介護休業法の要介護状態は、2週間以上の常時介護を必要とする状態をいいます。介護保険では要介護2以上が相当するものの、育児・介護休業法での要介護状態の基準(図表3)に該当すれば、要介護状態と判断できます。この場合、会社は従業員を通じて状態の確認を行うことで、対象家族か判断することもできます。定年後の再雇用で1年更新の嘱託社員は介護休業を取得することはできますか?Q31年などの契約期間に定めがある場合でも介護休業の取得は可能です。ただし、申出時点で、引き続き雇用された期間が1年未満である者(※2022〔令和4〕年4月より開始の休業で本要件は撤廃予定)、または取得予定日から起算して93日を経過する日から6カ月を経過する日までの間に労働契約の期間満了が決まって※あおぞらコンサルティング作成図表2 介護保険で認定を受けた場合の状態目安介護区分心身状態・運動能力の例軽                                               重要支援1介護状態とは認められないが、社会的支援は必要とする状態掃除などの家事で介助が必要。食事やトイレは自分でできる。要支援2部分的に介護を必要とする状態(ただし、状態の維持や改善見込みあり)立ち上がりや歩行が不安定で一部介助が必要。トイレや入浴に一部介助が必要。問題行動や理解の低下が見られることがあり、介護予防サービスを提供すれば状態の維持、または回復が見込まれる。要介護1部分的に介護を要する状態立ち上がりや歩行が不安定で一部介助が必要。トイレや入浴に一部介助が必要。問題行動や理解の低下が見られることがある。要介護2軽度の介護を要する状態立ち上がりや歩行が自力ではできない場合がある。トイレや入浴などに一部または全介助が必要。問題行動や理解の低下が見られることがある。要介護3中等度の介護を要する状態立ち上がりや歩行が自力ではできない。トイレ、入浴、衣服の着脱などに全介助が必要。問題行動や理解の低下が見られることがある。要介護4重度の介護を要する状態トイレ、入浴、衣服の着脱などの日常生活のほとんどに介助を必要とする。多くの問題行動や理解の低下が見られることがある。要介護5最重度の介護を要する状態トイレ、衣服の着脱、食事など生活全般に介助を必要とする。多くの問題行動や理解の低下が見られることがある。次の状態1~12のうち、Aが2つ以上またはBが1つ以上該当し、かつ、その状態が継続すると認められること。図表3 常時介護を必要とする状態に関する判断基準項目/状態AB1座位保持(10分間一人で座っていることができる)支えてもらえればできるできない2歩行(立ち止まらず、座り込まずに5m程度歩くことができる)何かにつかまればできるできない3移乗(ベッドと車いす、車いすと便座の間を移るなどの乗り移りの動作)一部介助、見守り等が必要全面的介助が必要4水分・食事摂取一部介助、見守り等が必要全面的介助が必要5排せつ一部介助、見守り等が必要全面的介助が必要6衣類の着脱一部介助、見守り等が必要全面的介助が必要7意思の伝達ときどきできないできない8外出すると戻れないときどきあるほとんど毎回ある9物を壊したり衣類を破くことがあるときどきあるほとんど毎日ある10周囲の者が何らかの対応をとらなければならないほどの物忘れがあるときどきあるほとんど毎日ある11薬の内服一部介助、見守り等が必要全面的介助が必要12日常の意思決定本人に関する重要な意思決定はできないほとんどできない※厚生労働省の公表資料をもとに筆者作成

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