エルダー2021年9月号
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2021.940腰痛予防対策1前号では、腰痛災害の実態や原因などについて解説しました。今回は、厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」を基に、腰痛予防対策について解説します。❶重量物取扱い作業の腰痛予防対策(a)自動化、省力化の推進・ 自動車組立て工程におけるベルトコンベア、機械組立て工程におけるバランサーなどの導入・ トラックでは、リフターなどの昇降装置、自動搬送装置の設置(長時間運転直後の重量物取扱いは腰痛リスクあり)・ ローラーコンベア、台車などの補助器具の使用(b)人力による重量物の取扱い・ 取扱い重量の制限(本指針の内容ではないが、20㎏制限とする大手ゼネコンの建設現場がある)や標準化・ 取り扱う荷物に取っ手などをつけ持ちやすくする(荷物の重心の位置が持つ人に近づくように)・ 取り扱う荷物の重量の明示(c)作業姿勢、動作・ 身体を対象物に近づけ重心の低い姿勢をとる。無理な姿勢を回避しやすい。・ 荷物を持ち上げる場合、片足を少し前に出し、膝を曲げてしゃがむように抱え(図表1ー1)、この姿勢から膝を伸ばすようにして脚・膝の力で持ち上げる。・ 両膝を伸ばしたまま上体を下方に曲げる前屈姿勢は取らない(図表1ー2)。・ 荷物を持ち上げたり、運んだりする場合は、荷物をできるだけ身体に近づける(図表※ 前回までの内容は、当機構ホームページでご覧になれます。エルダー 高齢社員のための安全職場づくり検索 生涯現役時代を迎え、60歳、65歳を超えて、より長く活躍してもらうためには、企業が職場における安心・安全を確保し、高齢社員が働きやすい職場環境を整えることが欠かせません。本連載では、高齢者の特性を考慮した〝エイジフレンドリー〞な職場の実現方法について、職場の安全管理に詳しい高木元也先生が解説します。労働安全衛生総合研究所 高木 元也―エイジフレンドリーな職場をつくる―高齢社員のための安全職場づくり腰痛災害の防止②第9回

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