エルダー2021年9月号
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2021.942(d)座作業・ 直接、床に座る座作業は、強度の前傾姿勢となり、腰の筋収縮が強まり、椎間板内圧が著しく高まる。このため座作業は避ける。むずかしい場合は、作業時間に余裕をもたせ、小休止・休息を長めに回数を多く取る。❹靴、服装など・ 転倒を防ぐため、靴は、大きすぎず、足にフィットし、滑りにくいものを使用する。・ 腰椎などへの衝撃を少なくするため、靴底は薄すぎたり、硬すぎたりしない。・ 作業服は、適切な姿勢や動作を妨げることのないよう伸縮性があるものを使用する。❺作業環境管理(a)振動対策・ 車両系建設機械、トラックなどの振動対策は、座席の座面・背もたれの改善、振動を減衰させる座席への改造、小休止や休息をはさむこと。(b)寒冷対策・ 暖房設備により適切な温度環境を維持する。(c)床面対策・ 職場の床面はできるだけ凹凸・段差がなく、滑りにくくする。(d)照度の確保肘掛けの高さ・位置、座面の角度などを調節できるもの。↓ 作業中の動作に応じて移動可能なキャスターつきで、座面や背もたれの材質は熱交換のよいものが望ましい。(b)机・ 作業台の改善・ 適切な座姿勢を確保するため、机・作業台上の機器・用具を適切に配備する。(c)作業姿勢など・ 長時間座っていると、背部筋の疲労により前傾姿勢になり、また、腹筋の弛緩、大腿部圧迫がでてくる。改善には、足の位置を変えたり、背もたれを倒し、後傾姿勢を取ったり、立ち上がって膝を伸ばしたり、クッションなどの腰当てを椅子と腰の間に挿入したりする(図表2)。※厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」より抜粋・ 作業場所、通路、階段などでは、足元が確認できるよう照明を用意する。(e)十分な作業空間・ 作業空間を十分に確保する。・ 作業場の4S(整理・整頓・清掃・清潔)を行う。❻腰痛予防体操(ストレッチ)(a)ストレッチ効果・ 腰痛予防体操は、ストレッチ主体が望ましく、実施時期は、疲労の蓄積度合いに応じて適宜実施する。図表3 静的ストレッチのポイント1息を止めずにゆっくりと吐きながら伸ばしていく2反動・はずみはつけない3 伸ばす筋肉を意識する4張りを感じるが痛みのない程度まで伸ばす520秒から30秒伸ばし続ける6 筋肉を戻すときはゆっくりとじわじわ戻っていることを意識する7一度のストレッチで 1~3 回ほど伸ばす図表2 座り作業の腰痛対策

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