エルダー2021年9月号
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2021.948地方への移住希望者を手厚く支援特定非営利活動法人100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センター(略称:認定NPO法人ふるさと回帰支援センター)は、地方暮らしやI・J・Uターン希望者を支援するために、北海道から沖縄までの移住相談をはじめ、移住に関する情報の発信やセミナー、イベントの開催などを行っている。東京と大阪に「ふるさと回帰支援センター」を開設しており、同2都府を除く45道府県の自治体と連携して各地の情報を提供し、移住相談員が来訪者(現在はコロナ禍のため予約制)の移住相談に対応。希望に応じて、仕事や住まい探しを支援する仕組みも用意している。活動を通して、地方再生や地域活性化にも貢献しているNPO法人である。「当法人は、いわゆる団塊の世代の定年後を応援する運動として始まりました。この世代の地方出身者の多くは、集団就職というかたちで都会に出てきています。そうした方々を対象に、連合(日本労働組合総連合会)でアンケート調査をしたところ、定年後は故郷に帰って暮らしたいと答えた方が4割近くに上っていました。その思いを応援しようということで、2002(平成14)年に設立しました」と高橋公ひろし理事長は設立の経緯を語る。ふるさと回帰支援センターに寄せられる相談件数は、2008年には約2500件だったが、年々増加して2019(令和元)年は5万件近くに。2020年は、コロナ禍によってセンターが臨時休館するなどして約4万件と減少したが、リモートワークの普及などにともない、以前にも増して真剣な移住相談が増えているという。相談者の年齢層にも変化があり、設立当初はシニア世代が中心だったが、2008年のリーマンショック以降、地方に活躍の場を見出すことを考える若い世代が増加。最近も、コロナ禍を通しての価値観の転換や、持続可能な地域づくりへの関心の高まりなどから、地方への移住を本気で考える若者からの相談が増えている。特定非営利活動法人100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センターの高橋公理事長 高年齢者雇用安定法が改正され、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となるなど、生涯現役時代を迎え、就業期間の長期化が進んでいます。一方で、60歳や65歳を一区切りとし、社会貢献、あるいは自身の趣味や特技を活かした仕事に転身を考える高齢者は少なくありません。そこで本企画では、高齢者に就労の場を提供しているNPO法人を取材し、〝企業への雇用〞にこだわらない高齢者の働き方を紹介します。活動事例生涯現役で働きたい人のためのNPO法法人特定非営利活動法人100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センター(東京都千代田区)第4回

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