エルダー2021年9月号
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エルダー53かでも70代が79・4%と突出して高かった(図表2)。同研究所は調査結果をふまえ、定年後はどのような就業環境であっても「できるだけ若い世代と交流・協力し、何らかのサポートをすることが望ましい」と結論づけたうえで、クロスジェネレーション(世代間交流)を意識した生き方を提言。50代以降は人生経験を活かして社会参加・社会貢献する「ソーシャルフリーランサー」という存在になることで、社会に新たな活力を生み出す原動力になる可能性を示唆している。「若い気持ち」の50プラス世代若者たちの支え役に同研究所の阪本所長は、調査結果について以下のように分析する。「人生100年時代といわれ、50代、60代以降のことをみんなが考え始めました。体も意外に元気で『若い気持ち』もあります。自分の仕事の経験や人生経験を活かしたいし、いままでと違う形で社会にかかわりたいとも思っています。さらに『いまの若者を応援したい気持ち』もあり、それは将棋の藤井聡太棋士や女子ゴルフの渋しぶ野の日ひ向な子こプロへの熱い応援にあらわれています。そうした気持ちと人生経験を活かして、例えばNPOの経理担当、会社に残るのであればより若い世代のメンター、若者の起業支援、学童保育、若い母親の育児支援ができるかもしれません。定年を延長するならば、仕事と地域貢献と複数の役割をになうことも考えられます。生産年齢人口が減少していくなか、若い世代がより働きやすく、生産性の上がることが望ましいといえます。全人口の半数を超えていく50代以上が若者の支え役として機能すれば、次の豊かな日本の社会を創ることになるでしょう」※ レポートの詳細は「人生100年時代未来ビジョン研究所」のホームページ(https://miraivision.net/report)でご覧になれます。図表1 Q 社会参加について最もあてはまるものを選んでください。いつまでも何らかの社会参加はしたい社会参加でいつまでも生きがいをもちたい社会参加はやはりお金を稼ぐことが最大の目的だ社会参加は地域のためになることをしたい社会参加はいままでの自分の蓄積をできるだけ活かす場としたい社会参加でいままで経験しなかったことをしたい社会参加はより若い世代のためになることをしたいその他特にない全体127024.5%16.7%9.4%6.9%5.5%5.0%2.9%0.5%28.6%40~49歳31421.7%13.4%16.9%7.0%4.5%5.7%1.6%0.3%29.0%50~59歳31921.6%19.4%11.3%6.9%3.4%5.0%4.7%0.9%26.6%60~69歳31628.8%14.6%7.3%6.0%6.6%5.7%2.5%0.3%28.2%70~79歳32125.9%19.3%2.2%7.8%7.5%3.7%2.8%0.3%30.5%出典:人生100年時代未来ビジョン研究所図表2 Q 「大人世代が若者世代を応援することで、若者世代からも新しく社会的にも意義のある文化や潮流が生まれる時代が望ましい」という大人像・時代像について、あなたが「なりたい」「こうありたい」大人像・時代像を思い浮かべて、それぞれあてはまるかどうか答えてください。出典:人生100年時代未来ビジョン研究所全体:1864男性:932女性:93240代:46650代:46660代:46670代:466 あてはまる   ややあてはまる   あまりあてはまらない   あてはまらない13.3%60.0%22.2%4.6%11.3%57.6%25.2%5.9%15.2%62.3%19.2%3.2%9.2%57.9%26.0%6.9%11.6%60.1%23.4%4.9%14.8%59.9%21.7%3.6%17.4%62.0%17.8%2.8%

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