エルダー2021年9月号
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エルダー61生活習慣改善に必要な6項目をKPIに設定し、支援策を展開「私たちは〝みんなと暮らすマチ〞を幸せにします」を、企業理念に掲げる株式会社ローソン。同社は2013(平成25)年にコーポレートスローガンを「マチの健康ステーション」に変更※1し、健康に着目した商品・サービスを展開するなど、グループ全体で健康への取組みを本格化した。その一貫として、従業員の健康増進の取組みにも注力している。従業員の健康増進に取り組む背景について、ローソングループ健康推進センターセンター長代行の四よ方も田だ美穂氏はこう語る。「当社の企業理念を実現するためには、まず『従業員が健康であり、さらに加盟店のオーナー・クルーが健康であることが大切である』という考えのもと、グループの従業員を含めた健康維持向上の取組みを推進しています。もともと、生活習慣病リスク因子の高い従業員が多いことが課題となっており、生活習慣を改善するためには、一人ひとりが健康を意識して取り組むことが必要だと考え、取組みをスタートさせました」同社の健康推進施策は、2018年度までは健康診断結果を元にリスク者を減らすことを目標に実施してきたが、2019年度からは、生活習慣改善のために必要な「肥満」、「血圧」、「肝機能」、「脂質」、「血糖」、「喫煙」の6項目をKPI※2とし、各項目で適正な数値の人の比率を引き上げるための支援策を実施している。取組みの柱は二つ。集団全体へ働きかけを行い、全体の健康リスクを下げる「ポピュレーションアプローチ」と、リスクの高い対象者に絞り込んで支援する「ハイリスクアプローチ」だ(図表)。生活習慣の定着を目的とした「ポピュレーションアプローチ」ポピュレーションアプローチには、会社が行う「元気チャレンジ!」と、ローソン健康保険組合が実施する「ローソンヘルスケアポイント」の二つの施策がある。いずれも日々の健康活動や生活習慣の定着を目的とし、参加は任意だ。「元気チャレンジ!」は、健康診断前・上期・下期の特定の期間(63頁図表)、アプリに日々の食事・歩数・睡眠などの活動を記録して生活リズムを整える活動にチーム(原則として同部署の3〜15人)で取り組み、健康意識を高めようというもの。活動内容に応じてインセンティブとしてPポンタontaポイントが付与される。チームで取り組むことのメリットについて、ローソングループ健康推進センターの岸亜あ妃き子こ氏は健康づくり企業に目ざせ生涯現役!  生涯現役時代を迎え、企業には社員が安心して長く働ける制度・環境の整備が求められていますが、生涯現役の視点で考えると、「社員の健康をつくる」ことは大切な要素です。 そこで本企画では、社員の健康づくりに取り組む先進企業の事例をご紹介します。目注第2回株式会社ローソン(東京都品川区)全従業員向けとハイリスク対象者向け 二つのアプローチで健康を推進※1 2019年に「マチのほっとステーション」に変更※2 KPI……Key Performance Indicator(重要業績評価指標)。目標を達成するための重要な業績評価の指標

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