エルダー2021年9月号
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脳力アップトレーニング!働くための篠原菊紀(しのはら・きくのり)1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。2021.964目標10分第51回ある規則にしたがってアルファベットや平仮名が並んでいます。空欄に入る文字を答えてください。穴埋め問題 今回はルールを見つけ出す「ひらめき」系の問題です。記憶や情報を組み合わせて考えることにかかわる前頭前野や、さまざまな情報を統合し論理立てて考えることにかかわる側頭頭頂接合部が盛んに使われます。【問題の答え】 問題 1 → aBcDeFgHiJk アルファベット順で大文字・小文字が交互になっています。 問題 2 → ZYXWVUTS アルファベットを後ろから順に並べています。 問題 3 → ACEGIKMO アルファベットが一つ置きになっています。 問題 4 → あおかこさそたと 五十音のア行、カ行、サ行、タ行の最初と最後を並べています。 問題 5 → あういかくきそさすし       「ア段・ウ段・イ段」の順番になっています。物事を順序立てて考えたり、人に説明したりするときには、脳の左側にある「側頭頭頂接合部」という部分が使われています。また、人の記憶の分類にはいくつかの種類がありますが、「宣言的記憶」と「非宣言的記憶」というものがあります。宣言的記憶は、過去の体験や見たり聞いたりしたことなどを指します。非宣言的記憶は、「一度自転車に乗ったらずっと乗れる」というような、体が反射的に覚えているものを指します。この宣言的記憶をになっているのが側頭頭頂接合部で、この働きがあるからこそ人は何かを思い出し、それを説明することができます。今回の脳トレ問題を解く際には、問題をよく理解して、さまざまな角度から考えてみてください。急いで解く必要はありません。①問題を理解する、②関連する過去の記憶をたどる、③柔軟な思考で答えを出す。これらのくり返しが、脳の記憶をうまく組み合わせて、よりよい答えを出す力を生み出します。ときには時間をかけて考えることも大切問題 1acDeFgiJk問題 2ZXVUS問題 3ACGIM問題 4あおこさたと問題 5あうかくきさし

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