エルダー2021年10月号
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など後輩の技術指導を行う。また、外国人研修員や工場見学者などへの対応も担当しており、まさに会社の顔として活躍している。範師のデスクは工場内でだれもが必ず通る場所に設置され、入社したての従業員が孤立することのない環境づくりのサポートにも一役買っている。また、範師は従業員の小さな変化にいち早く気づき、積極的な声がけをするなど、コミュニケーションを通じた従業員サポートの要となっている。さらに、技術者の従業員が専門的知識や技術を活かし、技術者としてのキャリアに専念できるポジションとして2018年より専門職「マエストロ(巨匠)」、「マイスター(匠)」、「スペシャリスト(職人)」、「アーティザン(熟練工)」を設定した。▼ものづくりマイスター制度の推進厚生労働省の若年技能者人材育成支援等事業「ものづくりマイスター」に役員をはじめ5人の高齢従業員が認定されており、新人教育などを通じて、積極的に若年技能者の育成と技能継承に取り組んでいる。また、OFF‐JTの一環として、技能検定の1回目の受検費用を年齢制限なく会社が全額負担している。▼各種資格取得を奨励各種資格の取得については、社内休憩室(食堂ホール)の壁に合格証書などを当該従業員の顔写真とあわせて掲示しており、若手従業員のモチベーションアップにつなげている。また、従業員が所持する資格を、玄関の掲示板にも顔写真つきのピラミッド図で掲示し、全従業員と来客者にアピールしている。資格などの見える化は、モチベーションの向上はもとより、適材適所の配置や生産性アップにもつながっている。(3)雇用継続のための作業環境の改善、健康管理、安全衛生、福利厚生の取組み①作業環境の改善▼作業効率を意識した作業机と引き出しの配置腰痛予防と引き出し内収納物の見える化、工数削減のため、作業机と引き出しの配置に工夫を凝らしている。表示物は、文字を拡大したり、色分けしたものを自分で用意して表示したりすることで作業しやすい環境に改善した。また、作業動線やレイアウトを変更し、振り向く・立ち上がるといった動作の改善や、棚がテーブル代わりになるなど、あらゆる箇所を改善している。▼LED照明の導入とエアコンの入れ替え高齢化による視力の低下を補うため、2015年に工場の照明を白熱灯からLED照明に切り替えた。また、2016年には天井埋め込み型のエアコンに替えたことで、エアコンの風が棚などで遮さえぎられなくなり、快適な職場環境が実現した。▼アシストスーツの導入身体的に負荷のかかる作業が多い職場のため、腰痛防止や高齢従業員の労働災害防止のために「アシストスーツ」を導入した。実作業でアシストスーツを装着しており、重量物作業時の腰痛予防と腰や腕にかかる負荷が軽減され、作業時間短縮にもつながっている。②健康管理▼人間ドック制度の導入従来は年1回の定期健康診断が就業規則によって実施されていたが、2019(令和元)年に就業規則を改定、従来の診断項目より多い人間ドック制度を導入した。▼ラジオ体操の実施1日を気持ちよくスタートさせるため、朝礼時に「ラジオ体操」を行っている。「ラジオ体操」で体を目覚めさせた後は「社是・社訓・6S【整理・整頓・清掃・清潔・躾・安全(safety)】」2021.1010国家認定資格所持者の写真をピラミッド図にして社内に掲示

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