エルダー2021年10月号
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評価制度については、従来は上司や施設管理者が評価していたが、同部署の複数のスタッフで評価しあう「全方位評価方式」を導入。自己評価を含む全方位評価を第1段階、第2段階で管理職による評価、第3段階で理事長による評価と、3段階の評価を行うよう改めた。▼多様な勤務形態の整備正規職員が規定の労働時間・日数での勤務がむずかしくなった場合に備えて、正規職員の身分のまま短日勤務・短時間勤務ができる「短時間正職員制度」、「週休3日正職員制度」を整備、人材の流出抑制を図っている。(2)高齢職員を戦力化するための工夫▼高齢職員の活用方針同社では、高齢職員のための仕事の創設や、高齢になったことによる配置転換はほとんどない。もちろん、加齢による身体の衰えには配慮して、例えば体重の重い入居者の介護は担当しないようにしたり夜勤をなくしたりという調整は行っているが、基本的にはこれまでの仕事を変わらず第一線で続けてもらう方針である。▼能力開発新規採用者は、年齢や前職での経験などにかかわらず、1カ月間OJTで教育することで、しっかりと長く働けるように育成している。▼資格取得の支援専門性の高いヘルパーと同等のスキルを習得し、質の高いサービスを提供できるように、クリーンスタッフに、介護資格の取得と介護士業務へのステップアップを推奨した。これにより、4人が「介護職員初任者研修」を修了。うち1人はホームヘルパーに転属し、仕事に対する意欲が向上した。▼IT機器の導入電子カルテ化のためのタブレットなどのITツールの導入にともない、若手職員が中心となって勉強会を開催。一緒に学んだ高齢職員の最新機器を使える能力が向上した。(3)雇用継続のための作業環境の改善、健康管理、安全衛生、福利厚生の取組み▼作業環境の改善①アシストスーツの導入移乗介護などの介助時に職員の身体への負担を軽減するため、アシストスーツ20台を各部署に配備した。②入浴設備車いすのまま入浴できる「リフトライナー」と、寝たきりの方が横になったまま入浴できる「ストレッチャー」を導入。入居者だけでなく高齢職員の身体的負担が軽減できている。③そのほかの最新機器の導入新たに業務用ロボット型自動掃除機を導入し、高齢職員の負担が大きく軽減した。▼健康管理①医療費補助制度定期的に病院を受診する職員のために、受診に要した費用と薬代の自己負担分のうち、2割を会社が負担する「医療費補助制度」を導入した。これは、職員本人だけでなく、健康保険上の扶養家族も対象としている。②傷病見舞金の支給業務の内外を問わず、けがや病気により一定2021.1014業務用ロボット型自動掃除機(左)、身体への負担を大幅に軽減できるアシストスーツ(右)

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