エルダー2021年10月号
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特集令和3年度 高年齢者活躍企業コンテストX期間の休業を要した場合に、傷病見舞金を支給している。③健康診断健康診断の対象者について法令では「正社員の週所定労働時間の3/4以上」とされているが、同社では「1/2以上の者」を対象としている。また、過去の経験から「初期発見が早ければ助かる命もある」という観点に立ち、項目に「胃部 線検査」を追加した。▼安全衛生給食・配食サービスでは自動車の運転が必要であるため、安全運転管理者による安全運転講習会を定期的に開催。啓発動画の鑑賞や事故事例の検討、最新の道路交通法の周知などをすることで事故防止に取り組んでいる。また、ドライブレコーダーによる安全運転チェックを実施し、合格点に満たない者には、啓発動画を見せ、レポートを提出させるなど、安全・安心の職場の創出のために徹底した対策がとられている。▼福利厚生職員休憩室と事務所に給茶機を設置。設置代やお茶代はすべて事業所が負担している。また、栄養士がバランスを考え、利用者に提供している給食と同様の食事を「職員給食」として低額で提供している。高血圧や心疾患のある高齢職員の健康増進のために、減塩食や低カロリー食などの“療養食”の提供も行っている。また、職員同士のコミュニケーションを深める観点から、春の施設別親睦食事会、年末の感謝祭(忘年会)を開催、全員が参加している※。そのほか、同社ならではの福利厚生としては、身体のメカニズムの知識に精通したリハビリスタッフが、業務終了後に希望職員を対象に無償でマッサージを施術。希望する高齢職員も多く、腰痛防止に役立つと職員から歓迎されている。(4)高齢職員の活躍ヘルパーの清水照江さん(63歳)は、早番業務担当者の指導役をになっている。早番業務は、介助内容が多いものの人員が少ない大変な仕事であるが、自身の経験談を交えての指導は若い職員から好評で、「事業所の母」として慕われている。クリーンスタッフの高井裕ひろ子こさん(72歳)は、チームリーダーとして、新人職員の指導教育や部署間連絡係をになう。年齢を感じさせないリーダーシップを発揮し、高井さんを中心にチームがまとまっている。(5)今後の課題職員の働きやすい職場づくりに積極的に取り組んでいる同社だが、今後も、たとえコストがかかる物品であっても、人手が少なくすむのであれば、結果的に人件費というランニングコストを抑えることができるという考え方のもとに、思い切った規程改訂、IT化など、時代の変革に柔軟に対応していく方針だ。2021年には、高齢職員の業務負担を軽減できるアイテムとして、実用的介護補助ロボットの導入を予定しており、よりいっそうのサービスの充実を図る。また、上限年齢なく勤続できる仕組みのさらなる充実に向けて、定年制の廃止も視野に入れているという。時代をしっかりとらえ、職員総力でより高い目標に向かっていく。※現在は、コロナウイルス感染症の感染拡大により、食事会などは一時休止中エルダー15清水照江さん(左)と高井裕子さん(右)

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