エルダー2021年10月号
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特集令和3年度 高年齢者活躍企業コンテスト極的に取り組んでいる。店長や総務課長が率先して従業員の健康管理を実施している。企業の沿革・事業内容Ⅱ1954年に株式会社福岡大丸の創業者である阿あ河が勝まさる氏が創立した。1972年に福岡ジャスコ株式会社が設立され、1974年には福岡ジャスコ1号店としてジャスコ佐世保店が開店した。1989(平成元)年に九州ジャスコへ商号変更。以降、佐賀ジャスコ、大分ジャスコ、大分ウエルマート、旭ジャスコ、株式会社ホームワイドを吸収合併し、2003年に現在のイオン九州株式会社へ商号変更を行った。さらに2007年に株式会社マイカル九州と合併、2015年にはダイエー店舗のイオンストア九州の事業運営に乗り出し、2020(令和2)年9月1日、イオンストア九州、マックスバリュ九州との3社合併を果たした。同社の歴史はまさに合併の歴史であり、激動の時代を生き抜いて、来年には創業50周年を迎える。高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方Ⅲ同社は過去に合併をくり返した背景があり、従業員の年齢構成比が高年齢にかたよるという特徴が見られた。このままでは、毎年新入社員を採用しても定年退職する人数をカバーできず、業務が拡大できない危機につながることから、60歳の定年後も雇用を継続する方法を模索。2006年に定年で60歳を超えた従業員については1年更新で契約し、65歳まで継続勤務する定年を超えた者の継続雇用制度を導入した。さらに2008年には、定年年齢を65歳に延長、2018年には70歳まで勤務できる定年後再雇用(嘱託職員)制度を導入することとなった。同社ではそれまで別企業との合併で人事制度を見直す際、自社の制度にあわせることが多かったが、同年のマックスバリュ九州との合併時には、「時間給定年70歳」や「定年後再雇用の嘱託職員制度」といったそれぞれのよい制度を全体の制度として採り入れた。会社としては、全従業員が持っているスキルを十分に発揮でき、より長く活躍できるような場を提供する必要があり、経験豊富な高齢従業員の継続雇用を可能とする制度への改善につながった。改善の内容Ⅳ(1)制度に関する改善▼定年前の登用制度年1回行われる登用試験(筆記・面接)により昇給、昇格していく。登用試験を重視する社風はジャスコ時代からのものであり、合併した企業の従業員にも公平にチャンスを与える主旨で、賃金制度に年功序列的な要素は少ない。試験はだれでも受験可能で、年度初めに資格ごとに課題図書と試験範囲が公表される。筆記試験と面接試験を受けて合格すれば、給料にも反映される。▼公平な新たな評価の仕組み評価は年2回実施し、上司と部下で目標を設定。半期ごとに評価して、本人に結果をフィードバックしている。また2021年度からは降格制度を導入。評価制度上、1年目に当該職位の下位10%に入ると個人面談が行われ、2年連続で下位10%に入った場合は資格が一つ降格となる。加えてハイブリッド型(職能資格制度と職務等級制度の間)の処遇制度を導入し、同じ資格でも職位により差がつく仕組みとした。従エルダー17イオンモール福岡伊都

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