エルダー2021年10月号
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特集令和3年度 高年齢者活躍企業コンテストきことを見える化している。③健康管理、メンタルヘルス対策等法律で定められた健康診断をはじめ、法定外である結核検査も実施している。メンタルヘルス研修については代表者が受講し、社内各施設で展開している。また、ハラスメントにかかわる窓口を設置しており、窓口に相談するとすぐに面談してもらえるシステムは、従業員の安心感の醸成に一役買っている。④役割分担による円滑な業務遂行・業務効率化高齢従業員にとって苦手意識のあるパソコンを使用する事務処理作業については、専門の事務員を雇い、配属することにより従業員が現場作業に集中できるようにしている。(4)高齢従業員の声「陽だまりの宿」の厨房で働く塩しお崎さき美み佐さ子こさん(73歳)はかつて縫製業を営んでいたが、12年前に採用された。1日5時間半の勤務をこなし、多いときには施設利用者18人分の調理を担当。厨房では塩崎さんを含め3人が交代で勤務している。厨房業務以外では、ホールで若い従業員と懇親会(七夕会)を開いたり、畑でのガーデニングを楽しんだりしている。塩崎さんは、「利用者から『おいしかった』といってもらえるとやりがいがあります。足腰が弱らないよう屈伸運動するなど、日ごろから健康状態に気をつけています。体力が続くかぎりは働きたいです」と明るく語った。(5)今後の課題新規分野を含め業務一つひとつを検証し、専門分野と非専門分野を切り分けるなど、高いスキルを持つ高齢従業員が活躍しやすい業務実施フローを構築することにより、高齢者雇用の促進と業務サービスの質を担保し、新規分野への参入も精力的に進めていく。また、少子高齢化をふまえ高齢者の戦力化を進めるとともに、組織全体のパフォーマンスを高め、介護関係施設の拡大を視野に置いている。さらに、若手・中堅・高齢者による全世代の職員のパワーを活かして事業展開してきたノウハウを土台に、子育て世代の女性にも活躍してほしいとの思いから保育所、そして高齢社会に必要な医療法人などへの事業領域拡大を目ざしている。エルダー23ロボット掃除機を操作する最高齢従業員の高橋富子さん(82歳)「陽だまりの宿」の厨房で働く塩崎さん塩崎さんが前職のスキルを活かして制作した、施設利用者のための間仕切りカーテン

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