エルダー2021年10月号
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本事例のポイントⅠ前原製粉株式会社は明治末期に家業形態として穀粉業を開始、主に白玉粉を製造してきた。1933(昭和8)年に「赤あこ穂う義ぎ士し」にちなんだ「義ぎ士し印じるし」を商標登録、1954年には法人化され現在の社名となった。1965年から包装餅の生産も始め、着々と業容を拡大。高齢者を含めた従業員全員の幸福や成長を願い、個人を尊重した社風を目ざすという経営理念を掲げている。近年は高齢従業員を対象に長期雇用と活躍を推進しようと、短時間勤務制度や製造・検査工程における自動化、相談事に応じる「総合相談窓口」などを導入。年齢にかかわらない評価制度に基づく賃金体系も取り入れ、高い意欲を持って長く働いてもらう環境づくりに力を入れている。P‌O‌I‌N‌T12017(平成29)年4月、65歳定年に就業規則を改定。定年後は年齢の上限なく希望者全員を継続雇用とした。22021(令和3)年1月から55歳以上を対象に短時間勤務を制度化し、柔軟な勤務体制が整備された。3賃金制度では能力を評価して賃金を設定。高齢従業員も毎年評価され、年1回の面談で勤怠状況や仕事での能力発揮の程度などを評価し、賃金を決定している。4高齢従業員のさまざまな相談ニーズに応えるため、「総合相談窓口」を設置している。相談には管理職全員と産業医、社会保険労務士があたり、高齢従業員が内容に応じて相談相手を選択できる。5原材料の投入について、完全に自動化がで前原製粉 株式会社(兵庫県姫路市)意欲を高める職場環境や評価制度を整え長く活き活き働ける職場風土を創出厚生労働大臣表彰特別賞高年齢者活躍企業コンテスト令和3年度企業プロフィール前原製粉 株式会社(兵庫県姫路市) 創業 1954(昭和29)年 業種 食料品製造業(和粉・包装餅・鏡餅製造販売) 従業員数 156人( 内  訳 )60~64歳7人(4.5%)65~69歳18人(11.5%)70歳以上15人(9.6%) 定年・継続雇用制度定年65歳。就業規則により希望者全員を年齢の上限なく継続雇用。現在の最高年齢者は81歳2021.1024

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