エルダー2021年10月号
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2021.1042このため、図表4の通り、作業の基本にしたがい、正しく作業を行うことが求められます。②グラインダーグラインダーによる切創災害では、❶鋸きょ歯しに変える、❷飛散防止ガイドを外すなどのルール違反が見受けられます。グラインダーは超高速で回転しますので、鋸歯に変えるのは危険極まりないことです。このようなルール違反は絶対に禁止です(図表5)。握力が低下している高齢者は、図表6のような両手で持つことができるグラインダーの使用が望まれます。③チェーンソーチェーンソー作業では、チェーンソーの突然の反発を抑えることはむずかしいことから、2019年に労働安全衛生規則が改正され、下肢切創防止用保護衣(チャップス等)の着用が義務づけられました(図表7)。④カッターナイフ手工具ではカッターナイフによる切創災害が目立ちます。カッターナイフを頻繁に使用している工場や商業施設で労働災害が多発しています。休業4日以上災害も多く、決して侮ってはいけません。カッターナイフ作業の基本は図表8の通りです。大量の段ボールの開封など、カッター定規の使用がむずかしい場合は、耐切創軍手を着用し木材加工用機械切創災害事例図表3 切創災害事例一般動力機械手工具金属材料金属加工用機械※筆者作成食パンをスライスしているとき、誤って右手人差し指を切創した。事例6寿司のカット機械を掃除するため、機械を分解中、誤って手を切った。事例7配送作業のためカッターでダンボールを開封中、誤って手をすべらせ左手の手のひらを切ってしまった。事例8包丁で人参を切っている時、手元を滑らせ左親指つけ根あたりを包丁で切傷した。事例9倉庫内で、電動丸ノコを使用して、配管用塩ビパイプを切断中、塩ビパイプを押さえていた左手の親指つけ根がノコギリに触れ切創した。事例1電動丸ノコを使用して端材を切っていたが、端材が小さかったのでノコ刃に手があたり負傷した。事例2チェーンソーを使って、丸太を杭に加工切断中、チェーンソーが跳ねて左足大腿部を切った。事例3工場において、グラインダーで単管を切断中、グラインダーが跳ね返り、左手首に刃があたり負傷した。事例4左手で部材を押さえて、グラインダーで、部材の面取り作業中、誤って面取り部を通り過ごし、部材以外のところに砥石が接触し、その反動でグラインダーが跳ね返され、左手の親指つけ根を深く裂傷した。事例5店舗前でバイクのオイル交換中、オイル缶で右手親指を切り、傷口から菌が入り重症化した。事例10産廃処理場で、サッシを動かそうと右手でつかんだ際、陰にあった鋭利な鉄クズに気づかずに右手小指甲側を切った。事例11

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