エルダー2021年10月号
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エルダー43ます。⑤包丁包丁による切創災害を防止するには、衛生用手袋の下に切創防止用手袋をはめ、二重の手袋を着用します。さらに、冷凍魚・鮭鱒の身卸しなど、強い力が必要な作業では、切創防止用手袋の上に金属製メッシュ手袋(図表9)を重ねて着用し、保護性能を高めます。⑥プルトップ缶開けプルトップ缶のふたを開けるときに切創災害が多発しており、防止対策として缶開け専用のプルトップオープナー(図表10)を用います。⑦ハサミ通常のハサミでビニール袋を開封するとき、指をはさんだり、先端で指を刺したりなどの切創災害が多発しています。防止対策には、刃先を短く先端を丸めたハサミを使用します。おわりに5切創災害防止の基本は、機械、電動工具、手工具などの正しい使用です。握力の低下、とっさにうまく動けないなど、心身機能が低下している高齢者は、率先してそれらを正しく使い、労働災害の防止に努め、若者の手本となることが求められます。図表5 グラインダー作業の主たる違反行為図表4 電動丸ノコ作業の基本1 作業台を使い、材料を固定させる2 軍手は、巻き込まれやすいため、はめない(専用のゴム手袋を着用する)3 安全カバーは外さない(くさびで固定しない)4 作業中以外は、電源を切り安定した場所に置く図表8 カッターナイフ作業の基本1 鋭い刃先を保つ力の入れ過ぎを防止する。刃先が丸くなったのを見つけたら、すぐに新しい刃と交換する。2 厚みのある専用のカッター定規を使用する定規が薄いと刃が乗り上げやすくなる。図表9 金属製メッシュ手袋図表10 プルトップオープナー図表7 チャップスの着用例図表6 両手で持つグラインダー3 正しい姿勢で切断する切断する姿勢が悪いと、刃に余計な力がかかり危険である。カッターナイフの真正面から背筋を伸ばした姿勢で作業する。4 刃の進行方向に手を置いてはいけない特に親指が危険である。切断するものを安定させるため、親指を刃の進行方向に置きがちだが、それはとても危険である。※筆者作成出典:住宅生産団体連合会、労働安全衛生総合研究所「ヒューマンエラー防止対策ガイドブック」※グラインダーは電動ノコに比べ、 回転数が格段に速く、非常に危険。ルール違反1 鋸歯に変えるルール違反2 飛散防止ガイドを外す高齢社員のための安全職場づくり―エイジフレンドリーな職場をつくる―

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