エルダー2021年10月号
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2021.1048ボランティア精神で中小企業の力になる認定特定非営利活動法人経営支援NPOクラブは、2002(平成14)年6月、初代理事長の大貫義昭さんが20人の仲間とともに中小企業支援を目ざして発足した。企業を定年退職した人などが会員となり、豊富な知識・経験やボランティア精神を活かして社会に貢献すると同時に、会員の生きがい創出と自己鍛たん錬れんにつなげていくことも目的だ。設立当初は中小企業への支援方法について模索から始まったというが、現在は経済産業省関東経済産業局をはじめ、地方自治体や公的支援機関などから中小企業支援のための調査案件や販路開拓支援を委託されるようになった。支援実績を積み重ねながら、活動する地域は関東から全国へと拡大。2016年には、税制上の優遇措置を受けることができる認定特定非営利活動法人に認定された。同クラブで活動を行う会員は設立当初から増え、2021(令和3)年4月末現在で227人。出身企業は130社におよび、ほぼ全業種をカバーしている。多様な部署・専門分野(人事・財務・企画・営業・購買・設計・開発・生産)の出身者が揃っていることから、多岐にわたった支援ができる組織に発展している。「実業界の人財図書館」として若者支援も活動は現在、中小企業支援にとどまらず、次世代育成支援、復興支援を加えた3本柱となっている。中小企業支援では、多くが公的支援機関や金融機関などから経営支援の案件を受託し、販路開拓やビジネスマッチング、展示会出展、職場改善、経営相談、海外展開など幅広い支援を行っている。2019年度の支援実績は2750件、支援企業数は1066社に上る。2020年からはコロナ禍で活動が縮小しているが、オンラインによる支援も継続している。助すけ川がわ英えい治じ理事長は、「私たちが行っている活動は、例えば販路開拓支援では、依頼先企業を訪問して課題や方針などをお聞きし、現場や工場を見学します。それをもとに、複数の会員で多角的にマッチング先などを検討し、会員の人脈、知識、経験を活用して選定していきます。さらに、マッチングに際してのプレゼンテーションなどの助言、マッチングの設定、立会いを行い、あとは要望に応じてフォローアップをします。企業支援といっても、人と人とをつなぐことが 高年齢者雇用安定法が改正され、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となるなど、生涯現役時代を迎え、就業期間の長期化が進んでいます。一方で、60歳や65歳を一区切りとし、社会貢献、あるいは自身の趣味や特技を活かした仕事に転身を考える高齢者は少なくありません。そこで本企画では、高齢者に就労の場を提供しているNPO法人を取材し、〝企業への雇用〞にこだわらない高齢者の働き方を紹介します。活動事例生涯現役で働きたい人のためのNPO法法人認定特定非営利活動法人 経営支援NPOクラブ(東京都千代田区)第5回

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