エルダー2021年11月号
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特集令和3年度 高年齢者活躍企業コンテストを拡充し、腰痛予防の体操動画を配信するなど事故防止に努めている。企業の沿革・事業内容Ⅱ株式会社ベルジョイスは、岩手県を中心に宮城県、青森県に展開するスーパーマーケットチェーン。株式会社ジョイス(1951年設立)と株式会社ベルプラス(2007年設立)が、2016年3月に合併し、「株式会社ベルジョイス」として新たなスタートを切り、岩手県でシェアナンバーワンに。“新鮮さ”と“安さ”、そして“安全・安心”をモットーに、食品スーパーマーケットの「ジョイス」、「ベルプラス」、「ロッキー」、食品ディスカウンティング・スーパーマーケット「ビッグハウス」、会員制ホールセールクラブ「ビッグプロ」の5ブランドを展開。岩手県に50店舗、宮城県に7店舗、青森県に1店舗の計58店舗を運営している。基本理念にある「そこになくてはならない」存在となるために、ベテラン従業員が率先して中堅から若手従業員を指導し、相互研鑽により全員が魅力ある人材になることを目標に、日々の食生活の経済性向上に少しでも貢献できる店づくりに励んでいる。高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方Ⅲ従業員数4628人(2021年8月末時点)のうち、60歳以上が1328人おり、全従業員の約3割を占めている。従業員の高齢化は以前から進んでいたが、定年年齢の60歳はまだまだ若く、働く体力も気力も衰えていないことから、従業員、そして労働組合からも定年延長について要望があった。さらに、各店舗で長年働いている高齢従業員たちは、スキルが高く、店舗についても熟知しており、おのずと新入社員やパート従業員の教育を行っている状況だった。新入社員の指導は主に20~30代の若手チーフが行っていたが、高齢従業員の教え方はていねいでわかりやすく、新人の指導役として適任と見受けられた。こうした実態を受け、2019年3月に定年年齢を60歳から65歳に引き上げた。改善の内容Ⅳ(1)制度に関する改善▼定年延長・選択定年制を導入2019年に、定年を原則65歳とする選択定年制を導入した。本人の意思で満60歳、満61歳、満62歳、満63歳、満64歳の五つの年齢から定年年齢を選択できる制度である。正社員は60歳到達時に会社と面談を行い、定年年齢を選択する。本人が希望すれば役職を継続し、処遇についてもそのまま継続する。店舗所属のパート従業員は、各店舗の店長との面談により、定年年齢を選択。原則、従来の条件のままとする。実際のところ、大半の従業員が65歳定年を選択している。定年後は、希望者全員を年齢の上限なく再雇用し、毎年契約更新する。最高年齢者は、本社勤務の商品部商品調達責任者、ゼネラルマネージャーの74歳となっている。▼退職金制度を65歳支給に変更定年制改定時に退職金制度は変更なく、60歳で退職金を支給していた状況を見直し、2022年3月から支給時期を延長し、65歳まで積み立てる運用をスタートする予定である。企業年金もあわせて新規で導入することが決まっている。(2)高齢従業員を戦力化するための工夫▼指導役として役割を課すエルダー9同社が展開するブランドの一つ「ビッグハウス」

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