エルダー2021年11月号
15/68

特集令和3年度 高年齢者活躍企業コンテストことができる職場環境づくりに努めている。企業の沿革・事業内容Ⅱ同社の前身である御船鉄工は、トヨタ関連企業に勤務していた梅うめ村むら敏代表取締役会長が1978年に創業した。夫婦2人で始めたが、二宮尊徳の「積せき小しょう為い大だい」(「小さな努力を積めば、いずれ大きなものになる」という意味)を理念に掲げ、小さな改善を積み重ねるなかで技術力、生産力を高めて取引先の信頼を獲得し、事業を拡大。自動車部品プレス、溶接、金型製作を手がけて成長を続けている。常に、より効率的な生産体制の整備に励み、2018年には、株式会社ミフネとなってから2棟目となる工場を建設した。大きな変革期を迎えているといわれる自動車業界にあって、「良質廉価な一気通貫のものづくり」を特徴とし、多品種少量生産に対応する技術力・生産力と、製造から配送まで一貫して自社で行う体制、そして多様な人材を受け入れて活かし、年間約3000種類の製品をつくり、自動車生産を通じて社会に貢献している。高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方Ⅲ全社員188人のうち、60歳以上は12人(男性8人、女性4人)で、高齢社員の割合は6・4%。70歳以上は7人である。社員の平均年齢は38歳。梅村和弘代表取締役社長は2013年に二代目の社長に就任した当時、「人を大事にする会社でありたい」と決意。「モノづくりにはチームワークが欠かせません。そのためには、社員一人ひとりを尊重することが大切です」と思いを語る。それから8年。この間に70歳の定年を迎えた社員は2人だが、他社を定年退職した高齢者も積極的に採用している。一方、新卒者の採用にも取り組み、社員の年齢は19歳から80歳までと幅広い。新卒の障害者の採用も毎年継続しており、現在7人の障害者が働いている。また、外国人を直接雇用しているほか、技能実習生を受け入れており、国籍、年齢、障害の有無、性別などにかかわらず、それぞれの持つ能力を活かすことで企業の発展につなげていくダイバーシティ経営を推進している。「高齢者にとって安全な仕事の仕方や障害者にとってやりやすい方法は、ほかの人にとっても同じであり、さまざまな社員が一緒に働くことで日々学びがあります」(梅村社長)改善の内容Ⅳ(1)制度に関する改善▼定年年齢の引上げ2011年に、それまで60歳としていた定年年齢を70歳に引き上げた。年齢に関係なく体力が維持でき、働く意欲がある人には長く働いてもらいたいと考える一方で、少子高齢化により、エルダー13会社外観梅村和弘代表取締役社長

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る