エルダー2021年11月号
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特集令和3年度 高年齢者活躍企業コンテスト勤務時間短縮などの希望があれば聞き、それぞれの事情に配慮して柔軟に対応している。これにより、短時間勤務で早く帰宅することができ、農業をしたり、孫を迎えに行けるなど、仕事を続けながら自分に合った生活を楽しむことができるようになったと好評を得ている。また、社員は60歳を迎えた時点で働き方を選ぶことができ、短時間のパート勤務に変わることも可能である。このような柔軟な勤務体制は他社を定年退職した人たちからも喜ばれており、高齢者の採用につながっている。(4)高齢社員の声最高年齢社員の田た井い中なか政せい二じさん(80歳)は、他社を定年退職後に68歳で入社し、フルタイムで週5日、製品を出荷するために収納する箱の整理・整とん、各出荷場所への運搬などの作業に従事している。「会社の発展のために自分の力が必要とされていると感じられることがやりがいになっています。必要な箱を必要なときに必要な量を供給できるよう、表示を明確にすることに気をつけています。仕事をすることが健康につながっています。ストレスチェックはいつもA評価です」と語る。田井中さんと同じ仕事をしている佐さ野の勇ゆう次じさん(77歳)も他社を定年退職し、さらにもう1社で雇用上限年齢まで勤めた後、70歳で入社した。短時間勤務制度を利用して、9時から15時まで週5日のペースで働いている。「仕事がスムーズに流れるよう、重要な役割をになっていると感じています。作業にあたっては、工場の『5S』を心がけています」と仕事を語り、「体力の続くかぎり長く勤めたい」とこれからを語る。畑はた中なか令れい子こさん(72歳)は、56歳で入社して、定年後に再雇用社員となり、現在は9時から16時まで週5日、検査業務に就いている。「この工場で製造される製品が世界各地で使われていると考えると気が抜けません。チームミフネの一員であることに誇りを感じています」と語り、「若いメンバーと一緒に仕事ができて活力をもらっています。仕事ができることが喜びです」と言葉を続けた。(5)今後の課題自動車産業は大きな変革期にあり、梅村社長は「迅速かつ柔軟に変化できる企業体質を構築することが求められています。しかし、社員一人ひとりを大切にする姿勢を変えることなく、すべての社員がここで長く働きたいと思える会社を目ざしていきます」と語る。エルダー15完成した製品を収納する箱を運搬する田井中政二さん検査業務に集中する畑中令子さん収納箱を整理する佐野勇次さん

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