エルダー2021年11月号
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特集令和3年度 高年齢者活躍企業コンテスト場が広がった。5社員全員が経営指針発表会に出席し、経営方針の情報共有と意識改革を推進している。企業の沿革・事業内容Ⅱ同社は、2000年に税さい田た和かず久ひさ現社長が創業、非正規社員9人という陣容でスタートした。もともとは税田社長の父がビルメンテナンス会社を経営しており、諸事情により会社をたたむことになったことから、そこで働いていた人たちに支えられる形での出発となった。創業して2年ほど経ったころ、税田社長はアメリカとカナダへ飛び、環境配慮型のウルトラフロアケアシステムを学んだ。安心・安全で高い洗浄力を持つウルトラフロアケアシステムとの出会いは、同社のエポックとなった。ウルトラフロアケアシステムを取り入れ事業を強化することで、2008年に念願の法人化を実現。現在は独自のサービスである「クリーンコンサル®」(プロフェッショナルの清掃ノウハウや衛生管理向上支援のコンサルテーションの商標登録)を日本全国へ発信している。創業から20年が経過し、ビルメンテナンスから始まった同社の事業は、清掃管理や不動産部門にも拡大している。苦しい時代をともに戦い抜いてくれた社員を幸せにしたいという創業者の思いから、高齢社員や女性、障害のある人なども含めたすべての社員が活き活き働ける職場環境づくりを進めている。高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方Ⅲ業界の慢性的な人材不足の状況に対処するため、きめ細やかな研修と個々の事情に応じた働き方を可能にする環境整備を進めるなかで、2020年までに多様な人材確保を進めることにより、高齢者雇用を進めつつ、65歳以上の社員の割合を10%まで下げるという目標を立て高齢者対策を推進。現在は24%に到達している。冒頭でも紹介したように、創業当時を支えてくれたのは高齢者、シングルマザー、障害のある社員たちであったことから、法人化して業容が拡大していく過程でも、さまざまな事情により「働きづらい人たち」を積極的に雇用し、多様な人材一人ひとりが業務に対応できる個別研修プログラムを用いて人材育成を図ってきた。現在、6人の障害者が元気に働いており、そのなかの一人は入社8年目を迎え、正社員として清掃現場で働きながらシフト管理もこなしている。今後は、引きこもりで働いていない若者たちにも就労の道を拓ひらきたいと考えている。改善の内容Ⅳ(1)制度に関する改善▼定年制2011年、個人事業主時代から支えてくれエルダー25会社外観税田和久社長

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