エルダー2021年11月号
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特集令和3年度 高年齢者活躍企業コンテスト企業の沿革・事業内容Ⅱ株式会社仲本工業は1966年に創業。小さな鉄工所から始まり、建築・土木・鋼構造物を三本柱とする総合建設業へと成長してきた。鉄構部門を強みに自社工場で鉄骨製作全般を担当し、大きな建造物や道路・橋の骨組み部分の工事も対応可能である。工場設備や機械、作業内容などの改善により、高齢者も無理なく働き続けることができる職場を築いてきた。創業時の経営理念(誠意・迅速・確実)を継承し、「技術力№1、顧客満足度№1、経営体質№1」を目標に掲げ、地域社会・地域経済の発展に貢献することを目ざしている。高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方Ⅲ従業員数はグループ連結で228人。若者に敬遠されがちな業種だが、同社では、毎年10人前後の新入社員が入社し、定着率も高い。平均年齢は約40歳である。単体従業員175人について高齢化の状況を見ると、60~64歳は12人、65~69歳は8人、70歳以上は1人。最高年齢者は現在72歳である。定年は60歳で、定年以降は契約社員として再雇用される。建設業の従来のイメージである「3K(きつい・汚い・危険)」では、少子高齢化が進むなかで学生の確保が厳しい状況にあったため、「新3K(給料が高い・休日が多い・希望がある)」の実現を進めていく必要があった。そこで、福利厚生の充実、生産性を向上させるための機能拡充を行い、業務の効率化・環境整備などを行った。また、人材の育成を重視しており、沖縄県の「人材育成認証制度」の認証を得ているほか、仕事だけでなく私生活においても充実した毎日を送ることができるよう、就業環境の整備に努め、沖縄県「ワーク・ライフ・バランス企業」にも認証されている。女性の活躍推進にも積極的で、女性活躍推進企業認定「えるぼし認定」も取得ずみである。改善の内容Ⅳ(1)制度に関する改善▼定年後再雇用期間の改正制度上、継続雇用は65歳を上限としていたが、助成金も活用し、従業員が安心して働くことができる職場環境づくりを整備するために、2019年8月より希望者全員を70歳まで継続雇用することを就業規則に明記した。「これまでも慣例的に65歳以上の継続雇用を行ってきたので、高齢従業員は、特に変化を感じていないかもしれません」と総務経理部の知ち花はな尚なお子こ課長代理は話す。もちろん、制度化することで、どの従業員にもルールが明確となり、安心感がより高まったはずだ。継続雇用の延長により安定した収入を得られる期間が長くなり、安心して生活ができる。「元気なうちは働きたい」という意欲を大事にすることで本人のモチベーションアップにもつながっている。総務経理部の金きん城じょう明美総務課長は「若手従業員に技術を伝えていくためにも、高齢従業員のみなさんに元気に安心して働いてもらえることが大切です」と、期待を語る。エルダー29会社全景

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