エルダー2021年11月号
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特集令和3年度 高年齢者活躍企業コンテスト▼機械等の導入、工場の建替え、安全確保措置自社鉄骨製作工場内へ溶接ロボットシステム・梁はりロボ(鉄筋CADシステム)を導入し、手作業による溶接作業の軽減や、夏場に作業をする従業員のために空調ファンつき作業服を配布するなど、働きやすい環境を整備してきた。工場の建替えも行っている。また、工場内の安全通路の確保や注意喚起の表示をするなど、事故防止にも努めている。▼独自の「傷病休暇」を導入同社は特別休暇が充実しており、その一つに「傷病休暇」がある。通常の年次有給休暇とは別に、体調不良や病院への通院の際などに30分単位で取得できる。▼「7000歩運動」の実施健康増進をうながす取組みとして、役員と従業員全員に万歩計を配付し、1日平均7000歩を目標に掲げてウォーキングを奨励している。毎日の歩数を記録してもらい、その結果を基に2カ月に一度、月例全体会議で表彰している。前回より大幅に歩数が伸びた従業員、ランダムに選んだ順位の従業員にも粗品を進呈し、楽しんで取り組めるよう工夫をしている。高齢従業員でもランクインする人がいるそうだ。結果は社内掲示とメール送信によって公表しており、従業員の健康意識を高めるだけでなく、コミュニケーションの機会にもなっている。従業員の健康には特に気を配っており、年に1回の定期健康診断はもちろん、インフルエンザ予防接種も実施している。総務課が病院への予約を行うことで、2020年度は98%の従業員が接種した。金城総務課長は、「毎年しっかり予防接種を行っていることで、インフルエンザにかかる従業員はほとんどいません。また、健康施設とも提携していますので健康づくりはこれからも推進していきたいと思います」という。(4)高齢従業員の声鉄構部積算課で働く大城盛一さん(68歳)は、1969年に産業別学校を卒業し、大阪の工業所で4年間勤務した後、地元・沖縄に戻り、同社に入社した。以来、勤続48年。厳しい時代もあったが、まじめに勤め続け、会社の成長を支えてきた。現在は鉄骨工事の積算業務を担当している。「さまざまな業務にたずさわってきたので、これまでの経験が活かされるところにやりがいを感じます。」と胸を張る。「自分のいままでの経験を後輩たちに教えていきたいです。鉄骨工事もそうですが、橋きょう梁りょう工事にも長くたずさわってきたので、そのノウハウもどんどん教えていこうと思っています」という大城さんは、ふだんから後輩たちにていねいに教えることを心がけている。穏やかな物腰と笑顔で接してもらえるので、若手従業員も質問がしやすい。若い世代とも、同世代や先輩とも、年齢にかかわらずよく話をするそうだ。(5)今後の展望人材確保・育成が課題となっているなか、高齢従業員の優れた技術や豊かな経験を活かし、それらを若手・中堅従業員に伝承することにより、次世代の人材育成と企業の発展を目ざす。また、今後も、すべての従業員が笑顔で働くことができる、働きやすい、働きがいのある環境づくりを進めていくという。従業員を大切にし、人材育成にも、ワーク・ライフ・バランスにも、そして高齢者雇用にも積極的に取り組んでいる同社の方針は、これからも変わらない。エルダー31大城盛一さん

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