エルダー2021年11月号
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エルダー43しっかり把握することが大切です。そのうえで割振りを行っていきます。人を相手にする仕事ですから、社員に気持ちよく働いてもらうためにも話にきちんと耳を傾け、相談や要請があったときにはできるかぎり対応し、内容によっては社長や専務に話を上げて相談します」同社で勤続19年になる長坂さんにとって、長く働き続けられた理由は、働きやすい職場環境に尽きるようです。これからも元気に働けるよう、健康的な食生活に努めるとともに、軽い運動を心がけているそうです。「今後は上番、下番の電話をコンピュータでのガイダンスに切り替えるので、新しいシステムについていきたいですね。また、これからはもっと有給休暇が取得しやすい環境をつくっていきたいです。年齢としては75歳までがんばりたいと思っています」と抱負を語ってくれました。高たか遠とお雅まさ明あきさん(84歳)は、2019年9月に入社し2年目になります。長年、会員制リゾートホテルで警備をにない、60歳以降は守衛をして16年。その後、82歳で同社に入社しました。新型コロナワクチン接種会場や、下水道工事の通行止め、片側交互通行などの交通誘導で活躍しています。「山梨県の夏は暑いですからね。交通誘導をするのは駐車場や道路だからコンクリートは熱く、日陰がなくて立っているだけでたいへんです。スタミナがつくニンニクや餃子を食べて元気をつけます」とかくしゃくとして、よく通る声でハッキリと話す高遠さん。休み明けの出勤は身体がきついそうですが、「仕事がある日に、きっちり仕事ができることが大事」と話し、日々、真剣に業務に取り組んでいます。仕事で心がけていることは、「無線を使うときはしっかりボタンを押してから話すことです。あたり前のことのようでも、しっかり押して話さないと最初と最後の言葉が聞きとれません。車を通すのか、止めるのか、きちんと伝えないと事故につながります。いまは警備員人口が増えているので、意識改革と教育が大切だと思います」と、基本の大切さと業界の課題について語ってくれました。この2年の間に2回も膝ひざに水が溜まって処置するなど、身体的に決して楽な仕事ではありませんが、「82歳で就職したいと電話したら採用してくれた会社です。恩返しのつもりでがんばってきました。これからも体が続くまでがんばりたい」と話してくれました。新型コロナウイルス感染症の蔓延で、影響を強く受けたホテル、レストランといった他業界から、同社の門を叩き、警備業に転身する中堅世代や女性もいるといいます。古屋社長は「みなさん、家族を養うため、生活のため、それぞれの理由で就業しています。今後も働きたい人が、希望に合った働き方ができるように改善し、引き続き休暇が取りやすい環境づくりに力を入れていきます。また、2022年に創業20周年を迎えるにあたり、計画していた本社の新築は、コロナ禍のため頓挫していますが、今後は計画を進めていきたいです」と展望を語りました。 (取材・西村玲)管制部長を務める長坂雄氏さん警備員として活躍する高遠雅明さん

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