エルダー2021年11月号
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2021.1146は必ず固定する、はしご脚部には滑り止めを施しはしごは昇降のみでその上で作業しない、はしご昇降時は常に〝3点支持〞(両手両足4点のうち常に3点をはしごに接触させる)を保つなどがあげられます。脚立の場合、その正しい使い方は、天板に乗らない、身を乗り出して作業しない、手に物を持って昇降しない、脚立を背にして降りない、反動をともなう作業は跨またがず片側の踏みさん※2に乗るなどがあげられます。このような正しい作業方法の順守により墜落災害を防止しますが、実際には、正しい作業方法が守られず、トラック荷台では積み荷で埋まった荷台上で足の置き場がなく、あおりの上に乗ったり、荷台から飛び降りたり、はしごは、固定せず壁に立てかけただけで上に昇って作業したり、脚立は、踏みさん上では届かないと天板に乗って作業したりしてしまいます。このような不安全行動は、年齢を問わず同じように行われているはずです。ただ、高齢になればよりバランスを崩しやすく、とっさにうまく動けず、墜落して被災しやすくなります。荷さばき場所からの墜落・転落も、同様の理由で高齢者の被災が多くなると考えられます。一方、高さが2mを超える高所作業であれば、墜落防護措置がない場所では墜落制止用器具を使用しなければなりませんが、それを使用しな※2 踏みさん……はしご・脚立などの足を掛けて踏むところ※3 バース……倉庫や物流センターなどで、トラックの荷物を積み降ろしする場所のことトラック荷台からの墜落図表2 高齢者の墜落・転落災害事例駐車場に停めていた軽トラックの荷台に横から上がろうとしたとき、足を滑らせて地面に落下し負傷した(65歳)事例1荷降ろしが終わり、荷台を掃除するため、荷台にかぶせていたシートをたたもうとしているときに足を踏み外し、トラック側面より地面に落ち、左手をついた際に骨折した(69歳)事例2はしごからの墜落構内で在庫確認のため、保管棚の上にアルミのハシゴを掛け、昇ろうと足を掛けた際、足を滑らせ2m位の高さから土間へ墜落した(67歳)事例3庭木の剪定中、はしごから足を滑らせ7m下に墜落して負傷した(68歳)事例4脚立からの墜落脚立の天板に乗り、車の天井を洗車していたところ、足が滑り高さ約1mから地面に落下し、頭と腰と腕を地面に打ちつけた(68歳)事例5倉庫内で、脚立の2段目あたりに足を乗せ作業中、足を滑らせて転落し、頭を打った(69歳)事例6トラック荷受けバース※3からの墜落入荷バースにて、簡易ローラーを使って、荷下ろし後のパレットを構内に押し込む作業中、左足を強く踏んばった際に、足を滑らせバースから転落し手を負傷した(61歳)事例7冷凍倉庫の接車バース上からパイロン移動のために飛び降りた際、左足がリフト止めに引っかかり体勢を崩して墜落した。右足をひねりながら着地し右足首を骨折した(62歳)事例8

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