エルダー2021年11月号
58/68

2021.1156※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「税込価格」(消費税を含んだ価格)を表示します楠くす木のき 新あらた 著/朝日新聞出版/935円入江崇しゅう介すけ、(株)リクルートマネジメントソリューションズ 編著/中央経済社/2420円定年後の居場所人事データ活用の実践ハンドブックビジネスの世界では、テクノロジーやデータを活用することによって、組織やビジネスのあり方を変容させる〝デジタル・トランスフォーメーション(DX)〞への関心が高まっている。人事労務管理の現場も例外ではないだろう。ところが、人事データを蓄積したものの十分に活用することができなかったり、分析の結果をうまく改善に結びつけられなかったりするケースもあるという。本書は、担当者が抱える、こうした悩みを解決するためのヒントを得ることができる、うってつけの書籍である。基本的なスタンスとしては、人事労務担当者が直面する課題を解決するために「どのようにデータを活用できるか、何に留意すべきか」に焦点を当て、人事課題とデータ活用を結びつけるイメージを具体化する工夫が凝らされている。全体は7章から構成されており、「データを活用して採用のPDCAを回す」、「研修効果を高める」、「昇進・昇格選考を通じてより多くの活躍できる人を輩出する」などのテーマごとに、実務に役立つデータ活用方法が詳述されている。人事データを有効活用することによって、〝一歩先を行く人事労務管理〞を目ざす担当者におすすめしたい好著である。少し前までは、定年はゴールであり、その先は余生という感覚だったが、いつの間にか「人生100年」といわれ、余生と思っていた時間が想像以上に長くなる可能性が出てきた。どこで、どのように過ごすのがよいのだろうか。本書は、ベストセラー『定年後』の著者が、「定年は新たな人生の始発駅」と提起し、生命保険会社を60歳で定年退職した後の自らの経験や、同世代の人々への豊富な取材をふまえ、定年後の居場所についてアドバイスをしている。再雇用に手をあげる選択もあれば、新たな扉を開く道もあるだろう。いずれにしても、「自身の主体的な意見や姿勢が大事になってくる。そう考えると、50代から『定年後』に向けて助走することが妥当に思えてくる」と著者。また、コロナ禍で体験したことや考えたことも交え、「生涯現役」、「こころの居場所」、「お金と健康」など多様な視点からリアルな定年後を示している。第1部は、夕刊紙の連載を加筆・修正し、第2部は、居場所の探し方や「いい顔」になる方法など、人生を充実させる八つのポイントを書き下ろしている。著者の話をはじめ、著者が出会ったさまざまな分野の人々のエピソードからも、多くを学ぶことができる。新たな人生の始発駅を元気に出発するためのヒントが満載“デジタル・トランスフォーメーション”時代におけるデータの有効活用方法を詳説

元のページ  ../index.html#58

このブックを見る