エルダー2021年11月号
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2021.11ニュース ファイルEWSILE2021.1158行政・関係団体 令和2年「労働安全衛生調査(実態調査)」の結果を公表厚生労働省厚生労働省は、2020(令和2)年「労働安全衛生調査(実態調査)」の結果を公表した。この調査は、労働災害防止計画における重点施策を策定するための基礎資料を得ることなどを目的に、周期的にテーマを変えて実施しているもので、2020年は「メンタルヘルス対策」、「化学物質のばく露防止対策」、「受動喫煙防止対策」、「長時間労働者に対する取組」などについて調査が行われた。調査結果から「高年齢労働者に対する労働災害防止対策の状況」をみると、60歳以上の高年齢労働者が働いている事業所の割合は74・6%で、このうち高年齢労働者に対する労働災害防止対策に取り組んでいる事業所の割合は81・4%となっている。「高年齢労働者に対する労働災害防止対策に取り組んでいる」事業所の割合を規模別にみると、「1000人以上」、「500〜999人」、「300〜499人」の事業所ではいずれも9割を超えている一方で、最も割合の低い「10〜29人」では78・5%にとどまっている。労働災害防止対策の具体的な取組み内容(複数回答)をみると、「本人の身体機能、体力等に応じ、従事する業務、就業場所等を変更」が45・7%、「作業前に体調不良等の異常がないかを確認」が38・7%、「健康診断の結果を踏まえて就業上の措置を行っている」が34・8%、「手すり、滑り止め、照明、標識等の設置、段差の解消等を実施」20・7%、などとなっている。令和2年度「能力開発基本調査」の結果を公表厚生労働省厚生労働省は、2020(令和2)年度「能力開発基本調査」の結果を公表した。この調査は、企業が実施した教育訓練、キャリア形成支援などについて、常用労働者30人以上の企業、事業所およびそこで働く労働者を対象に毎年行われている。調査結果をみると、教育訓練の実施状況では、OFF‒JTを実施した事業所割合は、正社員で68・2%(前回75・1%)、正社員以外では29・0%(同39・5%)となっている。計画的なOJTを実施した事業所割合は、正社員では56・5%(前回64・3%)、正社員以外では22・3%(同26・5%)となっている。教育訓練に支出した費用の労働者1人あたりの平均額(費用を支出している企業の平均額)をみると、OFF‒JTは7000円(前回1万9000円)で前回に比べ減少、自己啓発支援は3000円(同3000円)で2018年度調査以降、横ばいで推移している 。また、技能継承の取組みを行っている事業所割合は86・3%と高く、産業別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」(95・3%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(94・1%)などで9割を超えている。取組み内容の内訳では、「中途採用を増やしている」(47・9%)が最多となっており、次いで、「退職者の中から必要な者を選抜して雇用延長、嘱託による再雇用を行い、指導者として活用している」(46・6%)、「新規学卒者の採用を増やしている」(31・5%)と続いている。調査・研究 令和2年度「介護労働実態調査」結果介護労働安定センター公益財団法人介護労働安定センターは、2020(令和2)年度「事業所における介護労働実態調査(事業所調査)」、「介護労働者の就業実態と就業意識調査(労働者調査)」の結果を公表した。調査は2020年10月に実施され、それぞれ9244事業所、2万2154人から有効回答を得た。事業所調査の結果から、従業員の過不足状況をみると、不足感(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)は60・8%となっており、前年度(65・3%)と比べて改善傾向を示している。職種別でみると、訪問介護員の不足感が80・1%(前年度81・2%)で最も高く、次いで介護職員の66・2%(同69・7%)となっている。全従業員数(無期雇用職員と有期雇用職員の合計)に占める65歳以上の労働者の割合は12・3%で、職種別では訪問介護員が最も割合が高く、4人に1人が65歳以上となっている。次いで、看護職員の13・1%、介護職員の9・4%となっている。定年制度の有無では、「定年制度なし」の事業所が17・7%で、「定年制度あり」の事業所が80・6%となっている。「定年制度あり」のうち定年到達後の継続雇用制度導入は、「再雇用制度」が63・7%、「勤務延長制度」が26・1%で、約8割の事業所で導入している。なお、定年到達後の継続雇用制度導入事業所における雇用上限年齢では、いずれの制度も「年齢の定めなし」が多くを占めている。

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