エルダー2021年11月号
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脳力アップトレーニング!働くための2021.1164目標00分【問題の答え】第53回立体図を「真上」、「正面」、「側面」の方向から見た場合、それぞれどの形になるでしょう。A~Fのシルエットから選んでください。立体図問題 私たちは何かを判断するとき、いつもの見方、考え方を使っています。いつもの出来事への対処はそれで十分で速いのですが、その見方では行きづまるとき、それまでの考え方の「フレーム」を変え、「リフレーミング」する必要があります。今日はその基礎訓練です。洞察力とは、目の前にあるものをそのまま見るだけでなく、物事を多角的な側面から見ようとする力です。この能力は、脳の頭頂連合野や側頭頭頂接合部、そして前頭前野がになっています。例えば、優れたサッカー選手は目の前のボールを見るのと同時に、まるでスタジアムの天井に取りつけたカメラで見るかのように、ゲーム全体を俯ふ瞰かんしているといわれます。このような洞察力があると、自分の動きも客観的に判断でき、ものごとをスムーズに進めることができます。この能力は、広い空間の出来事だけでなく、「目の前の積み木を真上から見たらどのような形に見えるのか」などといった問題を読み解く際にも発揮されます。洞察力は訓練次第で発達させることができ、今回の脳トレ問題に挑戦する以外にも、毎日のトレーニングは可能です。花を生ける際に正面からだけでなく、真上から見てもきれいに見えるように考えてみたり、散歩中に正面から来る人の職業を想像したりというように、「違う視点」を意識してみてください。洞察力アップのメカニズム篠原菊紀(しのはら・きくのり)1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。目標3分真上AD正面側面BECFC真上 =A正面 =B側面 =真上正面側面

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