エルダー2021年12月号
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エルダー41[渡部プランナーから] 「社員が安心して働く環境をつくるためには、企業と社員が互いに尊重しあうことが重要であり、特に定年を迎える高齢者は企業との意思疎通が大切だと考えています。事業所訪問活動では、企業と高齢者のコミュニケーションを円滑にするための橋渡し役がプランナーであるということを意識し、企業担当者からお話をお聞きしています」高齢者雇用の相談・助言活動を行っています◆長野支部高齢・障害者業務課の菊池課長は、「渡部プランナーは、社会保険労務士として人事労務や賃金・退職金管理などを専門・得意分野としています。また、聞き上手であり、企業の話をしっかりとうかがい、企業と従業員の双方にメリットとなるような人事評価や能力開発などもあわせた提案を積極的に行っています」と話します。◆長野支部は、長野職業能力開発促進センター内に事務所があります。長野駅から北東約5km、しなの鉄道北長野駅から約1km、徒歩約10分の場所です。◆同課には10人の65歳超雇用推進プランナーおよび1人の高年齢者雇用アドバイザーが在籍しています。日々の精力的な取組みの結果、2019年度は280件の制度改善提案と1050件の相談・助言を行い、2020年度は134件の制度改善提案と577件の相談・助言を行いました。◆相談・助言を無料で行います。お気軽にお問い合わせください。●長野支部高齢・障害者業務課住所:長野県長野市吉田4-25-12 長野職業能力開発促進センター内電話:026-258-6001アドバイザー・プランナー歴:5年渡部信一 プランナー (65歳)70歳の定年後も無理なく働ける職場「この村の福祉のよろずやでありたい」。こうした理念を掲げて、有限会社わが家は2004(平成16)年1月、長野県南部にある人口約9000人の宮田村に誕生しました。そして、創業から17年、乳幼児から高齢者までが自宅にいるように過ごせる場所を目ざして開所した「宅幼老所わが家」から始めた事業は、人々との触れ合い、支え合いを通じて、現在では介護保険事業(通所介護・訪問介護)、高齢者の緊急時短期宿泊事業、障害者支援事業、託児事業へと拡大。2013年には、商店街の中心に介護施設と有料老人ホーム、直営の飲食店、外部テナントが同居する「オヒサマの森」をオープンしました。代表取締役社長の大石ひとみさんは、同社の事業と雇用について「乳幼児、高齢者、障害者、妊婦などさまざまな人が集い、同じ空間で快適に過ごす小さなコミュニティを築くことを目ざしています。利用する人も、理念に賛同して働く人も、何歳でもかまわないと思っています」と話します。こうした考えのもと、創業時は60歳としていた定年年齢をその後65歳に引き上げ、さらに2008年に70歳へと引き上げました。早い時期に定年70歳としたのは、「知識や経験豊かな社員が継続して働ける環境を整えるためと、田舎なのでもともと元気で仕事をしている高齢者が多く、スタッフを募集すると60歳以上の応募が多いのです。65歳ではすぐに定年となってしまうので、間口を広げて70歳に引き上げました」と大石社長は説明します。また、定年後も本人が希望する場合は「パート社員」として、個別の労働契約により年齢にかかわらず働くことができます。契約は1年ごとに交わし、勤務日数や時間を話し合い、柔軟に対応しています。現在の最高年齢者は82歳です。代表取締役社長の大石ひとみさん

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