エルダー2021年12月号
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エルダー45(159人)は非経験者より、転倒リスクのテスト3項目の割合が高い結果となり、このテストの有効性が認められました。また、「安全体力Ⓡ」を一定の水準に維持するため、毎日実施する2つの職場体操を作成しています。【 職場体操1:筋骨格系疾患対策「アクティブ体操」PART1】腰痛などの筋骨格系疾患対策用の体操(10種目約5分)です。種目は、作業中に負担がかかりやすい部位を対象に構成されています※2。【職場体操2:転倒予防対策「アクティブ体操」PART2】高年齢者に多い、転倒しやすい姿勢「背中が丸く骨盤が後傾し、股関節が開かず足首が固い」の改善を目的とした運動(10種目約5分)で構成されています※3。これらの取組みの効果として、筋骨格系疾患による休業日数が減少し、転倒災害発生件数も減少傾向にあるとしています。■事例2 トヨタ自動車株式会社トヨタ自動車では、高齢になっても活き活きと元気に働くには、体力の維持・向上、心身の健康の増進が大切とし、そのためには、若年・壮年期からの意識変革が重要ととらえています。具体的な取組みとして、従業員の体力の維持・向上のための「いきいき健康プログラム」、休業につながる心身の疾患を予防する「健康チャレンジ8」などを推進しています※4。①いきいき健康プログラム36歳以上の全従業員を対象に、4年に1度のペースで以下の取組みを実施しています。a体力の見える化(体力測定)以下の全9種目(2020年10月より⑧⑨を除く7種目に変更)の体力測定を実施しています。①上腕柔軟性、②肩柔軟性、③座位体前屈、④握力、⑤足そく把は持じ力、⑥2ステップ距離測定(バランス力)、⑦反復立ち上がり(筋持久力)、⑧座位ステッピング(敏びん捷しょう性)、⑨ミネソタ(手先の器用さ)※2  動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=KPxt7vyQ6Zo  ※3  動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=LEr6r1Mxgu8※4 ここでご紹介している取組みはコロナ禍以前に実施していたものですb運動指導社内の運動トレーナーが、トレーニング方法、身体のメンテナンス方法などについて、実技を交え指導します(1回30分〜1時間、数人〜30人)。特に、加齢による腰痛、肩こりに効果的なストレッチ方法を指導しています。また、従業員に歩数、運動時間などが記録できる活動量計を貸し出し、活動量計の結果に基づき、運動トレーナーがアドバイスを行っています。②健康チャレンジ88つの生活習慣「1・適正体重、2・朝食、3・飲酒、4・間食、5・喫煙、6・運動、7・睡眠、8・ストレス」を対象に、健康的な習慣の実践数を増やす取組みを行っています。全社的に実践数本誌2018年9月号より。JFEスチール西日本製鉄所の取組み片脚立ち上がり体重を支える脚の筋力5m平均台歩行バランスを崩さず歩く能力2ステップテストつまずかずに歩行する能力転倒リスクテスト(3項目)腰椎・股関節柔軟性腹筋筋力腰痛リスクテスト全身反応時間危険回避能力テスト手の操作範囲把は持じ筋力ハンドリングテスト図表1 「安全体力®」機能テスト高齢社員のための安全職場づくり―エイジフレンドリーな職場をつくる―

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