エルダー2021年12月号
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2021.1246の目標を設定し、職場単位の活動を推進しています。実践数の結果は、個人および職場にフィードバックし、個人、組織の取組み意識向上につなげています。また、「健康スマホアプリ」により、歩数などの活動量の見える化、各自の健康チャレンジ宣言を入力することなどにより、取組み意識を高めて行動変容をうながしています。社内食堂のメニューも、栄養バランスを図り、カロリー表示とともに、カロリー低食(599kcal以下)、野菜たっぷり、減塩メニューなど、各種ヘルシーメニューを提供しています。そのほか、禁煙化への取組みでは、各自の禁煙宣言、ニコチンパッチなどで支援する禁煙チャレンジ活動を実施しています。これらの取組みの結果、2020年末の全従業員の平均実践数は6・27(最大8)となり、目標値6・30に近づいています(2020年頭6・09)。身体機能計測装置の活用3大手企業の取組み事例では、2社とも体力測定が行われていますが、体力テストを実施するには、実施場所を確保したり、一度に従業員を集めたりしなければならず、実施がむずかしい企業もでてきます。体力測定に替わるものとして、身体機能を簡単に計測する装置があげられます。例えば、2020年度の厚生労働省の高年齢労働者安全衛生対策実証等事業を受けた、マイクロストーン株式会社の「THE WALKINGⓇ」は、背中と腰にモーションセンサーを身につけ10 m歩行するだけで、歩き方、身体の使い方の特徴が評価できる歩行健診システムです。足音を聞くだけでだれが来たかがわかるように、歩き方には人それぞれ個性(クセ)がありますが、強すぎるクセは転倒や腰痛・膝痛といった関節疾患につながります。この「THE WALKINGⓇ」は、歩行の専門家である理学療法士の知見から歩き方を数値化し、その特徴から歩き方や身体の使い方を整えるための改善プログラムを提示しています。また、歩き方がほかの転倒者とどの程度似ているかをAI分析し、転倒スコアや注意すべき転倒の種類(ふらつき、つまずき、すべり)を表示します。高年齢労働者安全衛生対策実証等事業では、50歳以上の労働者(92人)を対象に歩行計測を行い、提示された改善プログラムに2カ月間取写真提供:マイクロストーン株式会社歩行健診システム「THE WALKINGⓇ」を使用した計測の様子本誌2019年4月号より。トヨタ自動車「いきいき健康プログラム」のイメージいきいき健康プログラム

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