エルダー2021年12月号
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エルダー53住所地の市区町村役場です。●雇用保険雇用保険の失業給付を受ける場合は、退職後に会社から交付される「離職票」を持ってハローワークへ行き「求職の申込み」をします。就職する意思など、一定の要件を満たせば失業給付を受けられますが、退職日の年齢が65歳以上の場合は一時金となります。失業給付は受給期間(退職日の翌日から1年間)中に所定日数分を受給します。しかし、しばらく休養してから就職活動をする場合は、退職日の翌日から2カ月以内にハローワークへ申請して、1年間の受給期間を2年間に延長することができます。退職日を終点とし、1カ月前までには準備を始める3退職時の手続きをテキパキ行うには、退職日を手続きの起点とするのではなく、終点であるという意識で、遅くとも退職日1カ月前までには準備を始めます。「段取り八分」です。●健康保険証の返却を依頼しておく健康保険証は退職日までしか使用できませんから、退職日には必ず返却してもらいます。その際には、扶養家族へ交付されたものも一緒に返却してもらう必要があるので忘れないようにします。紛失などにより返却できない場合は、喪失届に「回収不能届」を添付することが必要です。返却を受けるのは退職日ですが、事前に依頼しておくとスムーズにいきます。● 健康保険・厚生年金保険被保険者資格等取得(喪失)連絡票の作成退職後に、市区町村役場で国民健康保険や国民年金(60歳未満の場合)へ加入する場合に必要な書類です。退職者本人や扶養家族だった人の氏名、生年月日、資格喪失日(退職日の翌日)などを記載し、事業主名で証明します。書類は退職日以降に交付しますが、遅れると市区町村役場で行う国民健康保険などの加入手続きも遅くなるためクレームが発生しやすくなります。● 雇用保険被保険者離職証明書の記載内容を確認させる雇用保険被保険者離職証明書は失業給付を受ける際に必要な「離職票」の基になる書類で、退職時に会社が作成し、ハローワークにおいて内容を確認されたものを退職者本人へ交付します。この雇用保険被保険者離職証明書には、退職前6カ月間に支給された賃金月額や退職日、退職理由などを記載しますが、その内容に間違いがないかどうか本人に確認させます。ここでの確認が不十分だと後々もめ事になりやすくなります。退職後に間髪を入れず手続きを行う4ここまで準備を進めてきたのは、退職後に間髪を入れず役所への手続きを済ませ、退職者に早く次のステージに進んでもらうためです。●手続き期限は厳守する各種手続きには、それぞれ手続き期限が決められていますので、最悪でもこれを守ります。・雇用保険の喪失届(離職票)は退職した日の翌々日から10日以内ですが、遅れると退職者はハローワークでの手続きができず、失業給付の受給も遅れます。・社会保険の喪失届は退職日の翌日から5日以内ですが、遅れると、健康保険の任意継続被保険者の手続き期限を過ぎてしまいます。●早く次のステージに進んでもらう在職中に多少の不満はあったとしても、退職手続きをテキパキやってもらえれば、退職者としてもストレスなく次のステップに進めるものです。逆に手続きをモタモタしていると、収まっていた不満も噴き出しやすくなります。ですから、退職後には間髪入れず手続きを行うことで、退職者と会社との関係を良好に保ち、失業給付の受給など早く次のステージに進んでもらいましょう。

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