エルダー2021年12月号
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582021.12※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「税込価格」(消費税を含んだ価格)を表示します大江加代著/日経BP/1540円飯島勝かつ矢や(監修)・岩﨑啓けい子こ(料理)/学研プラス/1540円働き続けるメリットや老後に向けたさまざまな準備のヒントを示すフレイル(虚弱)対策の基本と食事のとり方、毎日つくりたくなる献立を紹介男女雇用機会均等法が施行されてから、35年。少子高齢化もあいまって女性の労働者が増えるなか、労働力人口総数に占める女性の割合が上昇し、2019(令和元)年は44・4%と過去最高を更新している。「定年」といえば、これまで男性のイメージであったが、昨今は男女ともに定年を迎える人が増えてきている。また、男女そろって平均寿命が伸び、60歳女性の平均余命は29・46歳に。60歳で定年を迎えた女性の場合、計算上ではあるが、定年後の人生は約30年となる。本書は、今後さらに多くの女性が直面するであろうこの期間を、不安なく、充実して生きるために知っておきたい情報をまとめた一冊。「定年後」にいつから備えるか、老後の収支の「見える化」、資産形成について、定年後の医療のことなどとともに、60歳以降も働くメリットや働き方なども解説。再雇用、転職、NPOなどに参画、起業、フリーランスの働き方を例にあげ、それぞれの道に進むにあたって心がけたいこと、注意したいことなども示している。定年を意識し始めた女性のみならず、ライフプラン相談などにのる企業の人事労務担当者にも参考になる内容といえる。本書は、老年医学の専門家である飯島勝矢東京大学高齢社会総合研究機構教授の監修で、フレイル対策の基本をわかりやすく解説し、生涯元気に歩ける筋肉を保つための、健康長寿食の簡単レシピを多数紹介している料理ブック。飯島教授には、本誌「リーダーズトーク」にもご登場いただいている(2020年10月号)。フレイルとは、心と体の活力が低下した状態のことで、「健康」と「要介護」の間に位置する状態とされている。フレイル予防には、「食事」、「運動」、「社会参加」の三本柱が重要とされるが、コロナ禍で外出を控える人が多い昨今、家にいながら実践できるフレイル対策として、本書は「食事」に注目。20代を頂点に1年で1%ずつ減っていくとされる筋肉量をキープすることがフレイル予防につながるとして、筋肉の材料となるたんぱく質を上手に摂取し、毎日おいしく食べることを目的とした献立例をたっぷり紹介している。また、嚙む力を鍛える肉のレシピや、免疫力を高める働きがあるとされるDHAやEPAが豊富な魚介のレシピなども紹介。大きな文字で、料理の写真も満載。フレイルや口の機能に着目したオーラルフレイルについて、セルフチェックができるページもある。一生スタスタ歩きたいなら、たんぱく質をとりなさいフレイルを防ぐ健康長寿食&高たんぱくレシピ「サラリーマン女子」、定年後に備える。お金と暮らしと働き方

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