エルダー2022年1月号
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特集シニアのキャリア・チェンジエルダー15シニア人材を一括採用するエルダーシャイン制度をスタート株式会社パソナグループは、1976(昭和51)年の創業以来、「社会の問題点を解決する」という企業理念を掲げて活動してきた。現在は、人材派遣、人材紹介、海外人材サービス、福利厚生サービス、転職支援、再就職支援、地域活性化支援など、人材サービス事業を多角的に展開している。近年は地方創生事業に力を入れており、兵庫県の淡路島で、飲食店・テーマパークなどのサービス業務にも取り組んでいる。グループ社員は約2万1000人。連結子会社は62社、持分法適用会社は10社。定年は60歳、その後65歳まで再雇用している。同社では、2019(平成31)年4月から、他社を定年退職したシニア人材を一括採用する「エルダーシャイン制度」を導入した。定年退職後にこれまでのキャリアを活かした仕事や、新たなキャリア・働き方に挑戦しようと考えている、健康で働く意欲のある人を対象とし、初年度は書類審査と面接を経て80人が入社した。そのうち8割強が男性となっている。第2期となる2020年度はコロナ禍の影響で男性17人、女性3人の合計20人の採用にとどまった。現在は第3期の募集準備を進めているところだ。「当社はライフプロデュースを使命としています。『エルダーシャイン制度』は人生に定年はなく、生涯現役という観点から、豊富なキャリアと経験をもつシニア層の方々が、経験を活かして新しいチャレンジと志を実現するための環境を提供することを目的とした取組みです」と執行役員グループHR部長の細川明子さんは説明する。能力を活かし活躍してもらうためさまざまなコースを用意同制度は、コースごとに募集を行っている。パソナグループ以外の企業で参謀や顧問として働く「参謀コース」、営業にかかわる豊富な経験を活かす「営業コース」、財務・人事労務・経営企画・総務事務などの専門スキルを活かす「スペシャリストコース」、地方創生事業の地域活性コンサルタントなどとしてイベント企画や施設運営業務に従事する「地方創生コース」、独立起業に向けたプランの策定、事業・収支計画などについて専門コンサルタントから支援を受けながら起業を目ざす「起業志望コース」がある※。もともとはこの5コースで募集を開始したエルダーシャイン制度だが、第1期の採用活動を行うなかで立ち上げられた特殊なコースが「総※ いずれも第2期の募集コース。第1期の名称とコースがやや異なる他社を定年退職したシニア人材﹁エルダーシャイン﹂が経験・スキルを活かし活躍中株式会社パソナグループ︵本社 東京都千代田区︶

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