エルダー2022年1月号
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2022.116合コース」だ。第1期ではこの総合コースに20人が採用された。総合コース立ち上げの経緯について、HR本部担当部長で「パソナ日本創生大学院プロジェクト」を担当する岩佐実さんは次のように説明する。「エルダーシャイン制度の採用方法は中途採用に近い形で行っており、グループ各社のそれぞれの部署や関連会社が必要な募集枠を定め採用活動を行う、というものでした。例えば経理部であれば、経理の経験がある方を募集し、経理部が面接を行うのです。ところが、実際にエルダーシャインの募集を開始すると、一人で複数の部門に応募する人がたくさんいらっしゃいました。そのため、書類選考の段階で面接選考に進める人材を絞らざるを得ない状況になりました」しかし実際に選考を進めると、募集職種だけでみると、経験不足などにより書類選考で落とさざるを得ない人材だが、総合的なマネジメント経験が豊富であるなど、経歴・経験のいずれもすばらしく、チャレンジ意欲も旺盛な人材が多くいた。そこで、部署・関連会社からの募集ではなく、「どの分野でもチャレンジしたい方」という条件で、「総合コース」として人事部門による募集を行ったところ、30人ほどの応募があったという。人生の新たな一歩をふみ出すためのユニークな入社前研修を実施2019年の第1期生の入社の際には、入社前研修を行った。ビジネスマナーなどの基礎的な内容をはじめ、年齢や前職などへのこだわりをなくして活躍するためのマインドセットなどのほか、内面も外見も若々しくするための身だしなみ、歩き方、カラーコーディネーターによるネクタイの選び方の講義なども取り入れた。「いろいろな業界の人が集まって、気持ちも新たに多くの仲間と一緒に“一歩をふみ出す”ことを狙いとした取組みです」(岩佐さん)エルダーシャインの雇用形態は契約社員で、フルタイム勤務も含めて働いた時間に応じて支給する月俸制。フルタイムでの就業をはじめ、短日・短時間勤務など、一人ひとりの希望や条件に応じた雇用契約を締結している。半年ごとに部署の上長と面談を行って契約を更新しており、同じ条件で契約更新するだけでなく、マネジメント業務をまかされるような人材の場合は、職責に応じて条件の見直しも行っている。「エルダーシャインの統率力や危機管理能力は、業務にかぎらず職場のコミュニケーションや士気向上でも発揮されています。若手に自分の背中をみせて『みんなでやっていこうよ』とうながすようなシーンもあり、多くの若手社員がエルダーシャインから刺激を受けて、モチベーションが向上しています。私たちも異業種を経験されてきた方と一緒に仕事をすることによって、想定し得ないアイデアや意見に驚くことがあります。また、謙虚な姿勢で、前向きに自ら率先して行動しており、むしろ私たちが後をついていくようなこともあります。エルダーシャイン制度の開始にあたっては、現場から『まったく違う業界では文化が合わないのではないか』、『前職の立場をぬぐえないのではないか』という懸念の声も耳にしましたが、そういったマインドを変える意欲とチャレンジ精神執行役員グループHR部長の細川明子さん(右)HR本部担当部長の岩佐実さん(左)

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