エルダー2022年1月号
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2022.132服部 弊社では、高齢であってもしっかりと給料がもらえる制度としています。全員一律ではなく、客観的評価にともなって、支給額がロジカルに変動するという性質をもたせて行っているものです。弊社の取組みの大きな特徴かと思います。 これにより、年齢にかかわらず、努力やがんばりによって、その評価・報酬を高めることができ、モチベーションアップにつながったり、健康を維持していこうという気持の向上につながったりしていると思います。 また、長く働き続けてもらうために、アシストスーツ、自動掃除機、ボックスシーツなど、昔はなかったようなアイテムを積極的に取り入れることで、低下する高齢者の体力をサポートしています。健康管理面に関する福利厚生として、病院を受診したときの医療費補助制度があり、スタッフからたいへん好評を得ています。藤村 ありがとうございます。がんばったらきちんと見返りがあるというのは、やはり大事なことですね。続きまして工藤さん、モチベーションの維持・向上に向けた取組みをお聞かせください。工藤 弊社では、「教育は最大の福祉」という考え方のもと、新人からベテランまで、すべての従業員が知識・技術を学べる仕組みを設けてを整えることが企業にとって大事だといわれますが、経験や勘、コツといったところが加わることによって、さらに強くなれることを私たちは理解しています。したがって、そういった熟練の技能・技術をいかに若手に伝承してもらうか。その仕組みをつくることがポイントになると思います。 また、長く安全に働いてもらう工夫の一つとして、マッスルスーツの導入、エイジフレンドリーの取組みなども取り入れています。こうしたことは、他社の好事例に学び、よいと思うことは積極的に実践しています。藤村 ありがとうございます。佐々木さんのところでは、若い従業員が先輩たちの姿を見て目標にするなど、先輩の存在が大きいと思うのですが、いかがでしょうか。佐々木 おっしゃる通り、非常に重要な存在だと思います。資格取得やキャリアを積む仕組みがモチベーションの向上につながるとともに、専門的知識や技能を活かしていくキャリア制度があることによって、「あの先輩のもつ技術まで到達したい」といった目標が生まれ、それによって会社に貢献していきたいと思うようになるのだと思います。藤村 ありがとうございます。続いて服部さん、お願いします。という従業員が働ける制度になったと思います。また、勤務を続けてほしいという会社の思いと、ゆっくり働きたいという従業員の働くモチベーションが、うまく合致したのではないかと考えています。藤村 ありがとうございます。従業員のニーズに沿った制度を会社が整え、それに従業員が働きで応える。そういう関係が重要だと思います。意欲的に働き続けてもらうために期待、評価、能力開発を制度化する藤村 続いて、65歳以降も意欲をもって、第一線で働き続けてもらうための工夫、期待する役割、モチベーション維持・向上に向けた取組みについて、佐々木さんからお願いします。佐々木 年齢を重ねても、いままでと同じ、もしくは違う働き方であったとしても、そこで働ける場が用意されていることを、「見える化」することが、大事なのかなと思います。具体的には、就業規則を変える、運用のルールを明文化して社内で展開する、といったことです。従業員に対して「力を貸してほしい」という思いを、わかるように伝える。そういう文化や社内の雰囲気をつくっていくということも大事にしています。 それから、だれもが同じものがつくれる環境

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