エルダー2022年1月号
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2022.140とがやりがい」と語る久野さんは、社会福祉士と正看護師の資格を在職中に取得したといいます。「資格をもつことで、より地域の役に立てると思い、職場のサポートを受けながら勉強させてもらいました。職員のやる気を応援してくれる施設です」と感謝を口にします。介護の仕事について聞くと「医療の現場では治療をするのがあたり前ですが、ご利用者の生活の質を考えたときに医療的な治療がすべて本人のためになるとはかぎりません。あくまでご利用者の人生に寄り添い、本人の意思を確認できずとも、ご家族や多職種で方向性を導き出すことを大切にしています。介護の現場では、人生の終末期を迎えようとされる方がほとんどです。それぞれのご利用者に関して、関係するスタッフとともによい結果となったときは喜びと達成感があります」浅野プランナーは新生会の高齢者雇用の取組みについて、「年齢に関係なく公平に研修や会議を行い、高齢職員のモチベーションを向上させたり、アンケートや食事会などで高齢職員の要望や不満も把握されているなど、コミュニケーションを大切にしている点がすばらしいと思います。法人と高齢者を含む職員の関係が非常にうまくいっているので現状の問題はないようですが、職員それぞれに考え方があるでしょうから、例えば同一労働同一賃金に基づく均衡の説明や、制度の根拠資料を整備していただくと万全かとお話ししました。実際に70代や80代の方も活躍されているので、より安心して活躍してもらうために制度の見直しをおすすめしました」今回は、アドバイザーと管理職として活躍する高齢職員2人と、同じチームで働く中堅職員2人にお話を聞きました。中堅世代の相談相手として信頼される存在久く野の美智江さん(72歳)は、勤続年数37年を数え、施設長など管理職を歴任した人望の厚い人物です。定年後も常勤職員として働いてきましたが、4年前から勤務日数を減らし、週3日、サンビレッジ新生苑でライフサポートアドバイザーとして働いています。「若い世代の仲間と働けるこさらに太田名誉常務理事は、「『牛乳を飲む人より、牛乳を配達する人の方が健康になる』というように、働くと健康でいることができます。例えば介護の仕事が続けられなくなっても、庭の整備、掃除、食事の準備、洗濯など施設全体にさまざまな仕事があるので、ほかの分野の仕事に変えて働き続けることができます。縫製が得意な介護職員がランドリー部門に移り、79歳のいまも元気に働いています。草取りをになっている82歳のスタッフは、長く介護士をしていましたが退く際に『草取りならできる』と働く意欲があったことから、週1日勤務にして働き続けています。ここには1日1時間から仕事があります。みなさん、仕事の辞めどきがわからないといっています」と笑顔で語ってくれました。太田澄子名誉常務理事(左)、加野有規枝事務長チーフの高橋尚美さん(奥)と予定を確認する看護士の久野美智江さん

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