エルダー2022年1月号
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所に雇用される65歳以上の労働者を対象とする﹁雇用保険マルチジョブホルダー制度」※1がスタートしました。また、まだ少し先ですが、65歳までの雇用確保措置の進展などをふまえて、2025年度から、高年齢雇用継続給付を縮小していくこととされています。こうしたことを企業からみると、﹁働いてもらえる時間が長くなった」、﹁より本格的に働いてもらうことが期待できるようになった」、﹁働いてもらわなければいけない時間が長くなった」などととらえられるわけですが、いずれにしても、ここまで長く働いてもらうこととなったからには、シニアのキャリアについて理解することが必要です。本連載では、シニアの働く現状を改めて整理したうえで、キャリアについて考える視点を与えてくれるキャリア理論の世界でシニアはどう扱われているかについて紹介します。そのうえで、シニア自身はキャリアをどうとらえているのか、また、どうしているのかについて紹介するとともに、企業はどう考え、何をすべきなのか、考えてみたいと思います。働くシニア2﹁﹃70歳就業時代﹄が到来した」などといわれていますが、実際に、高齢者のうちどのくらいの人が働いているのか、みてみましょう。図表1は、男女別、年齢層別に、人口に占める就業者※2の割合を示したものです。男女とも、この※1 雇用保険マルチジョブホルダー制度…… 複数の事業所で勤務する65歳以上の労働者が、所定労働時間等の要件を満たす場合に特例的に雇用保険の被保険者になることができる制度※2 就業者には、実際に仕事をした従業者のほか、休業者も含まれるエルダー4360~64歳65~69歳70~74歳2000年2020年2019年2018年2017年2016年2015年2014年2013年2012年2011年2009年2008年2007年2006年2005年2004年2003年2002年2001年2010年0102030405060708090(%)82.660.041.3※東日本大震災の影響により2011年の数値は掲載されていません 出典:総務省「労働力調査」図表1-1 年齢別就業率(男性)65歳くらいまで25.6%25.6%21.7%21.7%11.9%11.9%4.8%4.8%20.6%20.6%13.6%13.6%1.9%1.9%75歳くらいまで働けるうちはいつまでも70歳くらいまで80歳くらいまで不明・無回答仕事をしたいとは思わない全体n=1755()出典:内閣府「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査」(60歳以上の男女)図表2 何歳まで収入をともなう仕事をしたいか60~64歳65~69歳70~74歳2000年2020年2019年2018年2017年2016年2015年2014年2013年2012年2011年2009年2008年2007年2006年2005年2004年2003年2002年2001年2010年0102030405060708090(%)59.739.924.7図表1-2年齢別就業率(女性)シニアのキャリアを理解する

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