エルダー2022年1月号
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機会が生じてくることになりますが、そのような場合に、安全配慮義務を負担することがあるのか、ということも問題となります。安全配慮義務に関する判例の流れ2最近は安全配慮義務という言葉自体も浸透し、同義務に違反したときには、損害賠償責任を負担することも一般的に知られています。さらに、労働契約法第5条が、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と定め、高年齢者雇用安定法の改正と就業機会の確保1過去の連載においても紹介しましたが、高年齢者雇用安定法が改正され、70歳までの就業機会の確保が努力義務とされました。これまでの法制度との相違点として、65歳までは、「雇用」を確保することが求められていたことと比較して、就業機会の確保においては、雇用にこだわらず業務委託契約を締結するといった方法も許容されるようになりました。そのため、今後は、65歳以降には、雇用ではなく業務委託契約を締結するような安全配慮義務については、業務委託契約であっても負担することがあり得るので注意が必要です。また、業務委託契約への切り替えにもかかわらず、業務内容の変更等がほとんどない場合には、雇用契約とみなされる可能性もあります。そのため、割増賃金等の雇用関係に基づく制度の適用関係に注意して、業務委託と雇用の区別をふまえた業務遂行方法を検討しておくべきです。A業務委託契約となる場合の安全配慮義務の位置づけを教えてほしい高年齢者雇用安定法の改正への対応として、65歳以降に業務委託契約を締結して業務を継続してもらうことを検討しています。雇用契約ではなくなるため、安全配慮義務の負担や割増賃金の負担などはなくなると考えてよいのでしょうか。Q1第44回 直接雇用以外の安全配慮義務、職務等級制度における降格措置弁護士法人ALG&Associates 執行役員・弁護士 家永 勲 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は変化するうえ、ときには重要な判例も出されるため、日々情報収集することは欠かせません。本連載では、こうした法改正や重要判例の理解をはじめ、人事労務担当者に知ってもらいたい労働法などを、Q&A形式で解説します。2022.146知っておきたい労働法 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制はA 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制はA& 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は&Q

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