エルダー2022年1月号
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エルダー63では、今年度は小児がんの子どもとその親の支援活動を行う組織に寄付が行われた。新たなアプリでは、歩くだけでなく、あらゆる健康への取組みが社会貢献につながるように、ヘルスケアポイント等20 ptにつき1円が寄付される仕組みに変更された。一方、禁煙の取組みについては、「強制することは社風としてなじまないところがあるため、やる気のある人を支援する方針で取り組んでいます」(田中さん)。毎月2日・12日・22日を「禁煙の日」に制定し、ポスターを掲示して啓発に努めているほか、禁煙をサポートするアプリによるオンライン禁煙支援プログラムを対象者にあわせて提供している。当初は費用を全額補助していたが、禁煙への意欲をより高めるため、途中から禁煙に成功した場合のみ全額補助とし、途中で脱落した人には一部補助に改めた。また、禁煙にチャレンジする人を応援する〝伴走者〞を登録できるようにして、成功すると〝伴走者〞にもプレゼントがもらえるようにした。こうして施策の改善を図りながら、禁煙に取り組む人を積極的にサポートしている。健康増進の取組みは、職場のコミュニケーションにもプラスに同社では、各事業所での健康増進に向けた取組みも行われており、コロナ禍になる前は、地元のウォーキング大会などへの参加も盛んに行われていた(参加費を健保が補助)。QOLismには個人やチームで歩数を競う「ウォーキングイベント」を実施できる機能があり、事業所間での競争も行われている。また、QOLismの導入にあわせて、健保では各事業所が健康施策を実施する際の費用の一部を支援する取組みも始めた。「本社が決めた施策に一方的に取り組んでもらうのではなく、各事業所の裁量に委ねることによって独自の取組みが生まれ、それがほかの地域にも波及することで、活動がさらに盛り上がると考えています。コロナ禍で人とのつながりが薄れがちななか、健康増進の取組みは職場でのコミュニケーションづくりにも役立っているようです」(田中さん)各事業所における取組みを支援するため、健康増進室では、事業所ごとに健診結果のレポートを提供し、事業所における課題を把握できるようにしている。高血圧・高血糖の割合や喫煙率の高さなど、地域によって異なる特性がみられるという。健康宣言をした2011年以降、健康への意識を高める活動を続けてきたことにより、一次健診の受診率はほぼ100%、二次健診も80%台後半に達している。また特定健診・特定保健指導の実施率もそれぞれ国の目標を上回る。「以前は特定保健指導を受けることを嫌がる人が多くいましたが、最近はほとんどいなくなりました。健康増進の取組みが浸透した結果だと思います。今後もQOLismを通じてさらなる意識醸成を図りつつ、もう一段ステップアップし、記録された内容や健康状態をふまえて、次の行動につながるようなアドバイスができる仕組みも取り入れていきたいと考えています」(田中さん)目ざせ生涯現役! 健康づくり企業に目注社会貢献を兼ねたウォーキング活動社会貢献を兼ねたウォーキング活動

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