エルダー2022年4月号
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特集高年齢者雇用安定法改正から1年をふり返るエルダー9られること・勤務(業務)状況が著しく不良で引き続き従業員としての職責(業務)を果たし得ないことなど、就業規則に定める解雇事由または退職事由に該当する場合や、創業支援等措置の計画(詳細は左記4へ)に定める契約解除事由または契約を更新しない事由に該当する場合には、契約を継続しないことが認められます。また、シルバー人材センターへの登録や、再就職・社会貢献活動をあっせんする機関への登録などは、高齢者の就業先が定まらないため、就業確保措置とは認められません。創業支援等措置について42の④継続的に業務委託契約を締結する制度や2の⑤継続的に社会貢献事業に従事できる制度による就業機会の確保については、「創業支援等措置」といいます。そのうち、継続的に社会貢献事業に従事できる制度の導入については、a 事業主が自ら実施する社会貢献事業b 事業主が委託、出資(資金提供)等を行う団体等が実施する社会貢献事業がありますが、いずれも有償の(業務に従事することにより、高齢者に金銭が支払われる)ものが対象となります。bの場合には、事業主と社会貢献事業を実施する団体等との間で、当該団体等が高齢者に対して社会貢献事業に従事する機会を提供することを約する契約を締結する必要があります。また、契約は書面により締結することが望ましいです。なお、この社会貢献事業とは不特定かつ多数の者の利益に資することを目的とした事業であり、特定または少数の者の利益に資することを目的とした事業は該当しません。創業支援等措置は、雇用による措置(2の①~③)と異なり、労働関係法令が適用されません。このため、創業支援等措置を講ずる場合は、次の(1)~(3)の手続きを行う必要があります。なお、創業支援等措置において労働者性が認められる働き方である場合は、創業支援等措置ではなく、雇用による措置として実施する必要があります。(1)創業支援等措置の実施に関する計画の作成創業支援等措置の導入にあたっては、業務の内容や高齢者に支払う金銭等に関する事項を記載した計画を作成する必要があります(図表)。なお、委託する業務等については、さまざまな業務内容などが想定されることから、計画における支払われる金銭や契約頻度などについては、幅を持たせた記載でも差しつかえありません。ただし、高齢者との個別の契約においては、当該計画に基づき、詳細な内容を記載する必要があります。また、これらの項目を作成するにあたっては、3の冒頭で言及した指針に留意事項を示しており、厚生労働省のホームページに指針やパンフレットなどを掲載していますので、ご参照ください。※6 高年齢者就業確保措置の実施及び運用に関する指針(令和2年厚生労働省告示第351号)※7 過半数労働組合等……労働者の過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数を代表する者※作成:厚生労働省図表 創業支援等措置に係る計画の作成創業支援等措置を講ずる場合には、下記の事項を記載した計画を作成することa高年齢者就業確保措置のうち、創業支援等措置を講ずる理由b高年齢者が従事する業務の内容に関する事項c高年齢者に支払う金銭に関する事項d契約を締結する頻度に関する事項e契約に係る納品に関する事項f契約の変更に関する事項g契約の終了に関する事項(契約の解除事由を含む)h諸経費の取扱いに関する事項i安全及び衛生に関する事項j災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項k社会貢献事業を実施する団体に関する事項l(a)~(k)のほか、創業支援等措置の対象 となる労働者の全てに適用される事項

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