エルダー2022年4月号
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2022.410(2)(1)の計画について過半数労働組合等の同意を得る(1)により作成された計画について、過半数労働組合等の同意を得る必要があります。このとき、過半数労働組合等に対して、次の3点を十分に説明する必要があります。a 創業支援等措置は労働関係法令が適用されない働き方であることb そのためにこの計画を定めることc 創業支援等措置を選択する理由なお、創業支援等措置と雇用の措置(2の①~③)の両方を講ずる場合は、雇用の措置により努力義務を達成したことになるため、創業支援等措置に関して過半数労働組合等の同意を必ずしも得る必要はありませんが、改正高年齢者雇用安定法の趣旨をふまえ、創業支援等措置の計画について同意を得ることが望ましいです。(3)(2)の同意が得られた計画を周知する(2)において過半数労働組合等の同意を得たうえで、計画の内容については見えやすい場所への掲示や労働者への交付、常時確認できる媒体での電子上の記録などの方法により、労働者に対して十分に周知する必要があります。(1)~(3)を経て、制度を導入した後は当該計画に沿って、個々の高齢者と業務委託契約または社会貢献事業に従事する契約を締結する必要があります。また、個々の高齢者と契約を締結する際は、・契約は書面により締結する・上記の計画を記載した書面を交付すること・(2)のa〜cの事項をていねいに説明し、納得を得る努力をすることが求められます。高齢者雇用対策の今後5生産年齢人口が減少するなかで、日本の社会を支えていくには、これまでの生産年齢人口のみを対象とする考えを超えて、高齢者に活躍していただくための場をつくっていくことが不可欠です。今回の改正で努力義務として加わった、70歳までの就業確保措置には、雇用以外の対応や、自社以外での就業継続など、より幅広い対応が含まれています。雇用以外の対応では、労働関係法令が直接は適用されませんが、労働関係法令の考え方をふまえた適切な配慮をしていただく必要があります。高齢者の働き方についての多様なニーズにていねいに応え、ダイバーシティを実現していくことは、高齢者だけではなく、すべての従業員の働き方改革にも寄与することが期待されます。また、今後、特に地方において人口減少が激しくなると見込まれていますが、企業内での雇用に加えて、社会貢献事業に従事できる制度などの多様な選択肢が設けられた就業確保措置が広がり、さまざまな地域の活動場面において高齢者の活躍の場をつくっていくことは、地域社会の活性化にも資するものと考えられます。そして、そのためには、地域に存在する多くの社会的資源との有機的な連携が不可欠であり、各企業における取組みに加え、国としても、地域のさまざまな機関のネットワークづくりを並行して進めていく必要があります。今後、各企業における取組みと地域のネットワークづくりを両輪で進めていくことで、高齢者の活躍が地域課題の解決につながる好循環を生み出せるような環境整備を進めてまいりたいと考えています。「高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~」厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/tp120903-1_00001.html

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