エルダー2022年4月号
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2022.416います。前年に比べて対応済企業が増加し、検討中・検討予定も増えつつあります。「対応済」・「検討中」の企業の具体的な措置内容(複数回答)では定年引上げ、定年廃止は3%前後と低く、「継続雇用制度の導入(自社・グループ)」が94・3%ともっとも多くなっています(図表1)。新たに設けられた選択肢では「継続雇用制度の導入(他社)」が11・4%、創業支援等措置の「業務委託契約を締結する制度」が18・7%。非雇用の業務委託契約を選択肢とする企業も少なくありません。社会貢献事業では「事業主自らが実施する社会貢献事業に従事できる制度」が3・6%、「事業主が委託、出資等する団体が実施する社会貢献事業に従事できる制度」は4・7%と、いずれも低率にとどまっています。また、今回の就業確保措置は継続雇用を含めて希望者全員を対象にする必要はなく、対象者を限定する基準を設けることが可能です。対象者基準を設ける企業は「継続雇用制度(自社・グループ)」で83・8%、「継続雇用制度(他社)」が66・7%、「業務委託契約を締結する制度」が84・6%。継続雇用や非雇用の業務委託であっても何らかの対象者基準を設ける企業が多くなっています(図表2)。その背景にはさまざまな理由が考えられますが、人件費コストの増加に加えて、自社で実施している現行の65歳までの継続雇用制度(再雇用)に問題を抱えているという事情もあるようです。あるサービス業の人事部長は「コロナ禍で業績不振が続き、70歳まで継続雇用するにしても65歳以降の賃金は下げざるを得ない。一方、現役世代についてもすでに脱年功制に向けた見直しに着手しており、人件費全体の適正化に取り組んでいく予定」と話しています。70歳就業でも課題となるモチベーションと処遇制度また、現行の65歳までの継続雇用制度は年収70歳までの継続雇用制度の導入(自社・グループ) 70歳までの継続雇用制度の導入(他社)業務委託契約を締結する制度事業主自らが実施する社会貢献事業に従事できる制度事業主が委託、出資等する団体が実施する社会貢献事業に従事できる制度83.8%16.2%あり0%20%40%60%80%100%66.7%33.3%50.0%71.4%50.0%28.6%15.4%84.6%なし出典:一般社団法人日本経済団体連合会「2021年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」図表2 「70歳までの高年齢者就業確保措置」の措置内容ごとの対象者基準の有無70歳までの定年引上げ定年廃止70歳までの継続雇用制度の導入(自社・グループ)70歳までの継続雇用制度の導入(他社)業務委託契約を締結する制度事業主自らが実施する社会貢献事業に従事できる制度事業主が委託、出資等する団体が実施する社会貢献事業に従事できる制度2.6%n=1930%20%40%60%80%100%3.6%11.4%18.7%3.6%4.7%94.3%出典:一般社団法人日本経済団体連合会「2021年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」図表1 「70歳までの高年齢者就業確保措置」に関する具体的な措置内容(複数回答/あてはまるものすべて)

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