エルダー2022年4月号
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2022.42021に認定されている。65歳の雇用上限を撤廃して新たなシニアの雇用制度を導入コマニー株式会社は2021年4月より、65歳までとしていた継続雇用の上限年齢を廃止し、新たに65歳以降の働き方の制度として「シニア社員等雇用制度」を導入した。総務統括本部人事部の小こ坂さか律子部長と銭ぜん田た眞一課長に同制度について話を聞いた。雇用の上限年齢廃止に至った背景について、小坂部長は、「少子高齢化による生産年齢人口の減少、厚生年金の受給開始年齢の段階的な引上げや、高齢者が70歳まで働ける機会を確保することを企業の努力義務とする高年齢者雇用安定法改正など、高齢者をとりまく社会環境は大きく変化しています。同社の経営の理念にある『全従業員の物心両面の幸福』を実現するために、社員一人ひとりの身体的・精神的・社会的なウェルビーイング(幸福・健康)が実現することを目ざすために廃止しました」と語る。また、「人生100年時代といわれるなか、年齢にとらわれずに可能なかぎり長く活躍できる環境を築くことが、社員にとってより実りあるライフプランを描けることにつながると考えました。そこで雇用の上限年齢を廃止し、65歳以降の新たな働き方の制度として『シニア社員等雇用制度』を導入しました」(小坂部長)という。同社では、「これまでつちかった知見や経験を活かして働くこと、また後進の育成など、一人ひとりに合った65歳以降の新たな働き方の実現に向けて、健康で意欲のある高齢者が元気に活躍し続けることができる職場、環境づくりを推進するとともに、全社員がその能力を最大限に発揮し、活き活きと誇りを持って働き続けることができる企業を目ざす」としている。「シニア社員等雇用制度」の規程は次の通りだ。1 「シニア社員」としての継続雇用制度・65歳以降、本人が希望して会社が認めた場合、雇用延長とする。参考とする条件は①健康状態、②本人の技能・能力、③本人の評価・通常の嘱託社員(再雇用)の賃金をベースに「契約社員」として雇用する。2 その他の形態について(業務委託契約制度)・職制や、必要とされる資格・スキルが求められる場合、業務委託契約とすることもある。設計など個人スキルを持って、自由な働き方をベースに同社の業務をになうことができる。「正社員は60歳を区切りとして、65歳までを嘱託社員に切り替えていました。こうした形で65歳までの雇用確保という法律に準じていたところ、2021年4月の高年齢者雇用安定法の改正で、70歳までの就業が努力義務となりました。これを機に当社で発信した『健康、能力があればいつまでも働ける会社にしよう』というトップの言葉を旗印にし、全社員の幸福を追求するという理念、また大家族主義のような会社の風土もあって、雇用の上限年齢を廃止し、65歳以降も契約社員としていつまでも働ける会社として制度化し、大々的に社内、社員に通知しました」(銭田課長)新しい「シニア社員」としての65歳からの働き方について、小坂部長は「65歳までの仕事に引き続き取り組むことになります。ただし、体力的な面を考え、勤務時間を柔軟にするなど自総務統括本部人事部の小坂律子部長(右)、銭田眞一課長

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