エルダー2022年4月号
25/68

エルダー23特集高年齢者雇用安定法改正から1年をふり返る﹁フロンティア・バンキング﹂を掲げ︑進取の精神に富んだ社風株式会社百五銀行(三重県津市)は、三重県、愛知県を中心に143か店(2021︿令和3﹀年3月31日現在)、海外にも2拠点を展開する三重県最大の金融機関で、地方銀行の厳しい環境のなかでも、店舗の効率化や既存業務の見直しなどによって、足元の業績は堅調に推移している。人事制度でも、さまざまな施策に取り組んできた。高齢者雇用では、70歳までの就業機会確保を努力義務とする高年齢者雇用安定法の改正に合わせて、2021年4月に、65歳までの継続雇用後に、70歳まで再々雇用する制度を導入した。いままで同行は、高年齢者雇用安定法の努力義務規定に対応する形で、高齢従業員の雇用制度を整えてきた。1985(昭和60)年に定年年齢を現行の満60歳に延長、1992(平成4)年には定年後の継続雇用制度である「シニア行員制度」を導入した。スタート時の「シニア行員制度」では、63歳までフルタイムで、以降65歳までは短時間勤務という制度だったが、2006年の65歳までの雇用確保の義務化のタイミングで、65歳までフルタイムまたは短時間から選択できる制度に改定した。2013年には、年金の報酬比例部分の支給開始年齢引き上げに対応して、その部分を補填する形の「シニアライフ充実手当」を創設。シニア行員のモチベーション向上のため、業績評価の導入とともに、いままでの定額の奨励金に代えて、賞与の支給を開始した。現在、全従業員2380人(パートタイマー除く)のうち80人ほどがシニア行員。その6~7割の人が本部で、ローンの審査業務や営業店の業務監査、営業店の事務指導などの業務に就いている。人事部人事課の生しょう野の哲てつ也やさんによれば、「いままでつちかってきた自分のキャリア、経験を本部のエキスパートとして活かしてもらっている」という。残りの3~4割のシニア行員は、現場の営業店で一般事務をになっている。グループ会社を含めると約150人がシニア行員として業務に従事している。ゆとりのある生活再々雇用制度の働き方と処遇今回導入した再々雇用制度は、65歳のシニア行員終了から、70歳までの雇用を確保するもの。アシストスタッフ(パートタイマー)の枠組みを活用して、パートタイマーの雇用上限を企業事例❷株式会社百五銀行(三重県津市)70歳雇用の環境整備で、従業員の満足度が増しエンゲージメントの向上にもつながる

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る