エルダー2022年4月号
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2022.456※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「税込価格」(消費税を含んだ価格)を表示します川嶋英明 著/日本法令/2860円由ゆ井い俊哉 著/ダイヤモンド社/1760円1on1とは、上司と部下が1対1で定期的に行うミーティングの方法をいう。上司からの指示や指導を中心とする従来のミーティングとは異なり、対話の機会を増やして部下の成長をサポートすることなどが目的とされている。1on1はもともとアメリカのシリコンバレーで生まれたといわれており、日本では大手IT企業が導入したことで注目され、働き方の多様化などを背景に導入する企業が増えているようだ。本書は、1on1を100社以上に導入し、組織マネジメントのあり方を改善してきた著者が、1on1を効果的に実践する方法をまとめた一冊。正解がわからない先の見えない時代といわれるなか、さらに、コロナ禍により社内のコミュニケーションに難題を抱えている企業が多くなっているという。本書の著者は、プレッシャーが増している上司の悩みを「5つの壁」として整理し、それらの壁を突破する方法として1on 1による技術を説く。読むことで、効果的な対話の技術が身につけられるという実践書であり、2社の事例紹介から具体的な施策を学ぶこともできる。部下との関係性や組織マネジメントに悩むビジネスパーソンにおすすめしたい。2021(令和3)年4月、改正高年齢者雇用安定法が施行され、70歳までの就業機会確保が企業の努力義務となった。同時に、中小企業においても、同一労働同一賃金への対応が義務化された。さらに2022年4月、在職老齢年金制度が変わり、60代前半の在職老齢年金の基準額が引き上げられ、働きながら年金を受給しても年金がカットされにくい仕組みとなった。また、60歳以降の賃金が60歳到達時の賃金より低くなった労働者に対して支給される高年齢雇用継続基本給付金は、段階的な縮小・廃止が決定されている。本書はこれまで高年齢雇用継続給付の支給を受けることを前提に、定年後再雇用者の賃金を引き下げていた雇用慣行の見直しが迫られているとして、高齢労働者に影響の大きい法改正の内容を解説し、現行制度からどのような変更があるかが確認できる。同一労働同一賃金への対応を中心に、具体例を用いながら、定年後再雇用者の同一労働同一賃金への対応のポイントを示し、労使が納得できるこれからの定年後再雇用者の労務管理を検討。架空の会社を例に、「戦力としての雇用」などへの移行例を具体的に解説している。部下が自ら成長し、チームが回り出す1on1戦術100社に導入してわかったマネジャーのための「対話の技術」定年後再雇用者の同一労働同一賃金と70歳雇用等への対応実務対話のスキル、型、スタンスを網羅的に解説した実践書これからの高齢者雇用の労働条件と人事制度への対応例を示す

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